2018 Fiscal Year Research-status Report
経頭蓋直流刺激が運動・姿勢に影響を及ぼす脳神経解明と運動学的・運動力学的検証
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17K01467
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
松田 雅弘 城西国際大学, 福祉総合学部, 准教授 (40453485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網本 和 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (70326023)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リハビリテーション医学 / 理学療法学 / 生体情報・計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を用いて、脳を一時的に刺激することが運動と姿勢に及ぼす影響について検討することが本研究の目的である。その影響を脳内の変化とパフォーマンスの変化の両面より明らかにすることを研究の核としている。 本年度は脳神経のコネクティビィティの解析のためにその手法を学び、そして実践することが可能となった。機能的MRI(fMRI)の計測から安静時の脳活動を分析することで本研究で検討したい脳のコネクティビィティを分析することが可能である。また、倫理審査委員に相談することで本実験の一部修正が必要となり、現在修正中である。 実際のtDCSの刺激によって、健常者・脳卒中患者のバランス能力や姿勢反応性に変化が生じることが明らかになった。今回は補足運動野に刺激することで、外部からの刺激による随意的な身体の反応や重心の動揺が、偽刺激(sham刺激)と比較して姿勢を安定する方向へ働いた。このことはtDCSによって、姿勢調整する補足運動野の機能を一時的に高めることによって姿勢保持能力が高まったことが考えられる。その姿勢保持能力の向上は健常者だけでなく、脳損傷による麻痺症状があっても確認されたことから、その機構に関する機能結合は損傷後でも高めることが可能なことが示唆された。現在、さらに症例数を増やして検討を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目に脳のコネクティビィティ解析を中心に実施する予定であったが、その研究が倫理的な配慮の問題と技術的な問題でやや遅れている。昨年度はパフォーマンスの研究を深めたが、この点に関しても今年は垂直性に関する研究を含めて実施していく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、共同研究者と会議を進めて今年度の夏に脳の分析を進めることが可能である。その後、その研究に対する論文の作成を行う予定である。 刺激後のパフォーマンスの計測は、現在重心動揺計を用いた計測で実践してきたが、今年度は引き続き本研究の症例数を増やすこと、健常高齢者のデータを収集すること、垂直性に関して研究を進めていくことで、倫理審査を含めて準備を進めている。
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Causes of Carryover |
当該年度必要とする研究をすべて実行できなく、今年度の研究計画に変更したため。
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Research Products
(50 results)