2020 Fiscal Year Research-status Report
経頭蓋直流刺激が運動・姿勢に影響を及ぼす脳神経解明と運動学的・運動力学的検証
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17K01467
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
松田 雅弘 順天堂大学, 保健医療学部, 先任准教授 (40453485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網本 和 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (70326023)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経頭蓋直流電気刺激 / 姿勢制御 / 身体性垂直 / 補足運動野 |
Outline of Annual Research Achievements |
経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation)が姿勢に及ぼす影響について、身体性垂直に焦点をあてて昨年度から検討を進めている.身体性垂直認知(Subjective postural vertical;SPV)は,自身の身体が垂直かどうかを判断する指標として使われ,私たちの姿勢制御には欠かせない認知の1つである.昨年度,姿勢制御に関連する補足運動野(The supplementary motor area ;SMA)に対して,脳活動を促進する陽極の電流刺激を加えることで姿勢制御に及ぼす影響について検討をした結果,SPVはtDCSの刺激後に誤差の標準偏差が減少することがわかった.その分析を続け,特に15°よりも20°初期の傾斜角度が大きいと標準偏差の大きさが減少し,傾斜に対する姿勢応答への対応に重要だと考えられる. 該当年度は健常高齢者による検討を進める予定であったが,新型コロナウイルス感染症の流行の影響によって実験自体が進めることが困難であった.そのため,健常者に対するSMAへの刺激に対する効果の神経メカニズムの文献レビューを行った.SMA刺激によるバランス能力の改善だけでなく,パフォーマンスの向上に寄与することなどSMAの刺激が全体的なアウトプットである指標を変化させる可能性がある.さらに,補足運動野が姿勢制御のなかでも予測的姿勢制御に及ぼす影響も大きいことから,身体性垂直の認知だけではなく,予測的姿勢制御の検討も必要だと考えられる.次年度は,遅れているMRIによる研究,健常高齢者による検討を進め,tDCSが姿勢制御に及ぼす影響についてさらに検討を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によって実験できる環境を十分整えることが困難であった.その間にレビューや議論を繰り返すことができたので,次年度はすぐに実施できる予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,MRIによる研究,健常高齢者による検討を進め,tDCSが姿勢制御に及ぼす影響についてさらに検討を進めていく予定である.健常若年者による補足運動野,小脳への刺激を行い,姿勢制御の能力を評価するために重心動揺計や反応時間,予測的姿勢制御の検討をしていく.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って研究活動が十分に実施できなかった.次年度はMRI研究,健常高齢者などの研究を予定しており,研究実施に費用がかかることと,英文校正費・論文投稿費に充てる.
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Research Products
(20 results)