2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the neural activity and kinematic of the effects of transcranial direct current stimulation on movement and posture
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17K01467
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
松田 雅弘 順天堂大学, 保健医療学部, 先任准教授 (40453485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網本 和 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (70326023)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 姿勢制御 / 経頭蓋直流電気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を用いてヒトの姿勢と動作への影響を明らかにすることを目的に研究を進めてきた。 研究初期にはtDCSによって、姿勢の認知に関する垂直性について調査を行って、tDCSによって姿勢認知に変化を及ぼす可能性について検証を行った。その後、コロナ禍で十分な研究を進めることが難しかった。2022年度はtDCSを用いて、予測的姿勢制御(Anticipatory postural adjustments:APAs)に及ぼす影響を検討した。対象者は健常成人21名とした。tDCSは実刺激として姿勢制御に関わる補足運動野または小脳に陽極の電気刺激を行い、コントロール群として同一に電極は設定するが電気を流さないsham刺激を行った。電気刺激の時間は20分として、その前後で動作解析装置(VICON)と床反力計、表面筋電計(Delsys)を用いて、姿勢と動き始めのAPAsを計測した。姿勢保持と運動企図には補足運動野の関与が大きく、運動制御には小脳の関わりが指摘されている。今回のtDCSの刺激によって筋活動は鋭敏となり、スタートの合図から足を1歩出す際の重心の変化も円滑になった。 これらの結果から姿勢や運動を司る脳部位として運動野以外にも補足運動野や小脳は、その姿勢や運動を企図、調整する機能局在が存在し、そこに電気刺激を加えることで姿勢の認知面を変化させるだけでなく、無意識化で反応するAPAsに関しても変化を及ぼすことが示唆された。このような脳局在の一時的な変化によって運動のコンディショニングが整い、歩行や上肢操作に及ぼす影響することが考えられる。
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Research Products
(8 results)