2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of factors associated with worsening severity of peripheral arterial disease by focusing on physical activity intensity
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17K01478
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高橋 哲也 順天堂大学, 保健医療学部, 教授 (00461179)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 末梢動脈疾患 / 身体活動 / 創傷再発 / 重症虚血肢 / 重症化予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、重症虚血肢の身体機能と再発の関係を検討した。重症虚血肢と診断された113例のうち、大切断以外で研究参加の同意が得られた自力歩行が可能な16例(男性15名、女性1名)を対象とした。再発の有無は、創傷治癒した部位が再度創傷を有した場合とした。足関節背屈角度、足底・足背皮膚組織還流圧(SPP)、足部の知覚、膝伸展筋力、平均歩行歩数、装具装着下で通常速度と最大歩行速度での足底圧を測定した。 再発群6例、非再発群10例、再発率は38%であった。再発群5名、非再発群8名に足関節背屈制限があり、再発群で背屈制限のあった5例のうち3例が足背SPP≦30㎜Hgであった。再発群全例に知覚障害を認めた。膝伸展筋力は再発群で右37kg、左32kgで、非再発群は右47kg、左46kgと再発群で低値を示した。歩行歩数は再発群で平均519歩、非再発群で平均2,825歩であった。平均通常歩行速度は再発群1.07m/秒、非再発群1.18m/秒、最大歩行速度は再発群1.53m/秒、非再発群1.47m/秒であった。さらに歩行時の最大足底圧は再発群で右283kPa、左153kPa、非再発群は右290kPa、左276kPaであった。 一度創傷治癒した部位が再度創傷を有した再発率は38%と高く、その関連要因として、足関節背屈制限、血流低下、知覚障害、筋力低下、身体活動量の低下が認められたが、症例数が少人数にとどまり、詳細な因果関係は解析できなかった。歩行歩数の増加や歩行時の足底圧の上昇が創傷再発に関わる要因と仮説したが、むしろ再発群の歩行歩数は少なく、歩行速度や歩行中の足底圧には差を認めなかった。 再発例は背屈制限や血流制限、知覚障害、筋力低下を認め、身体活動量が制限されていたが、虚血痛や創傷への配慮から歩行速度は総じて遅く、歩行時の足底へのメカニカルストレス(足底圧)と創傷再発と関係は認められなかった。
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Research Products
(7 results)