2017 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞後の麻痺回復に関わる翻訳後修飾を基盤とした脳内分子機構の解明
Project/Area Number |
17K01483
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
水谷 謙明 藤田保健衛生大学, 共同利用研究推進施設, 講師 (30351068)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 英明 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80416172)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 脳梗塞 / リハビリテーション / 麻痺回復 / 神経可塑性 / 分子機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、脳卒中後の麻痺や障害に対して、脳の可塑性変化に基づいた新たなリハビリテーションという概念が浸透し始め、積極的に麻痺回復を行う治療戦略に関心が高まっている。本研究は、脳卒中リハビリテーションの麻痺回復に関連した分子機構の解明とそれら麻痺回復に関連する機能的分子を活性化させる薬剤投与により、脳内の神経可塑性を誘起し、さらなる機能回復を目指すものである。 本年度は、photothrombosis による脳梗塞モデルを用い、大脳皮質に脳梗塞を作製し、脳梗塞2日後から回転ケージによる歩行訓練を行った群をEX群、訓練を行わなかった群をCNT群とし、麻痺および機能回復の程度と脳内の分子動態についての解析を行った。 運動機能解析、麻痺程度変化についてはrotarod test を用い、5分間に回転数が3rpmから30rpmへと漸次増加する回転棒上での歩行持続時間を脳梗塞前、梗塞後2,4,6,8,10日目に計測した。その結果、CNT群と比較してEX群において脳梗塞後4日目より回復傾向が示され、6日目以降有意な歩行持続時間の増加が確認された。更に、脳内神経活動の指標としてc-Fos 発現の組織学的解析を行い、EX群におけるペナンブラ領域を含んだ脳梗塞辺縁において発現増加が確認された。さらに、その領域におけるモノアミン動態の解析を行うとともに関連した受容体の発現をWestern blot 法により解析したところ、特定の受容体サブタイプの発現増加が認められた。これらの変化と機能回復との関連性を次年度以降解析するとともに、変化が確認された受容体を基点としたリン酸化解析を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度初め所属していた研究所の廃止に伴い、異動および従来行っていた実験系を立ち上げ直し、計画していた実験の一部分しか行えなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回用いた歩行訓練が、脳梗塞後の機能回復に有用であることが示され、脳内のタンパク発現において、変動を示した分子と機能回復との関連性を解析するとともに、変化が確認された受容体を基点としたリン酸化解析を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
当該年度における所属研究所の廃止に伴い、研究実施に遅滞が生じたため。次年度以降、研究計画に沿って研究に必要な備品および現在不足している器具・試薬購入等に充てる。
|
Research Products
(2 results)