2021 Fiscal Year Annual Research Report
ranscranial direct current stimulation for patients with post-polio syndrome
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17K01494
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
松嶋 康之 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10412660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 教授 (20269070)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ポストポリオ症候群 / 経頭蓋直流電気刺激療法 / 酸化ストレス / F波 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリオ罹患後数十年経ち新たに筋力低下や疲労が生じるポストポリオ症候群(PPS)が問題となっている。PPSの治療に有効なものはないが、近年、脳卒中などで有効性が確認されている経頭蓋直流電気刺激療法(tDCS)がPPSの疲労や睡眠の症状を改善させる可能性が報告された。我々はPPSの症状改善にtDCSが効果的か確認するために無作為化比較試験を実施した。無作為にtDCS群(8名)とsham群(6名)に振り分け、刺激は、陽極電極を左右の運動前野領域、陰極電極を左肩に設置し、tDCS 群では2mA・20分間、sham群では偽刺激を20分間、1日1回、合計10回行い、介入の前後、4週後に評価を行った。 2021年度は2020年度までの介入で得られた尿サンプルについて、酸化ストレスの指標である尿中8-ヒドロキシグアニン(8-OHdG)の測定を行った。また、2021年度までに得られた対象者14名のデータを詳細に比較検討した。主要評価項目とした疲労の多面的な評価法であるMultidimensional Fatigue Inventory日本語版の合計点が、tDCS群では介入前と比較し介入後に有意に低下しており、下位項目では全般的疲労感が有意に低下していた。疲労のVisual analogue scale、ピッツバーグ睡眠質問票日本語版、血中脳由来神経栄養因子(BDNF)値、尿中8-OhdG値は、両群とも介入前後で有意差を認めなかった。これらの結果から、PPSによる疲労に対してtDCSが有効であることが示唆された。 本研究の結果について、第12回日本ニューロリハビリテーション学会学術集会(2021年5月、オンライン開催)、第58回日本リハビリテーション医学会学術集会(2021年6月、京都)にて発表した。現在本研究結果の論文化を進めている。
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Research Products
(2 results)