2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K01501
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
荒川 高光 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (90437442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 敬介 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (60195047)
田口 徹 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (90464156)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 寒冷刺激 / 温熱刺激 / 骨格筋 / MCP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋損傷後の再生に重要なマクロファージの動態を調べたところ、先行研究通り、寒冷刺激でマクロファージの遊走は遅延し、再生は阻害された。 今回、先行研究で報告されていた寒冷刺激時間を10分に短縮して、同様な解析を行った。すなわち、CD68免疫組織化学を行い、マクロファージの動態を観察した。その結果、寒冷刺激時間を短縮するとマクロファージの初期の遊走が阻害されていた。また、マクロファージの損傷筋繊維への浸潤度が低かった。しかし、20分寒冷刺激を加えた群よりはマクロファージの集積は阻害されていなかった。その後の筋再生を見ると、10分寒冷刺激を与えた群は、20分間寒冷刺激を与えた群よりも再生筋線維数は若干の再生筋線維の早期の再生、再生筋線維の成熟が見られたが、寒冷刺激を与えない群よりは再生、成熟ともに阻害されていた。 さらに、マクロファージの遊走に重要な因子であるMCP-1(CCL2)の免疫組織化学を行い、筋線維内、衛星細胞などに局在していることを明らかになりつつある。MCP-1はマクロファージが損傷部に集積する前の時点で、筋線維や衛星細胞に発現していることが明らかになりつつある。すなわち、筋損傷の刺激によって衛星細胞が活性化されると、そこにMCP-1が発現し、それによってマクロファージが筋の損傷部位へ集積するのではないか、と考えられる。もしかしたら、マクロファージそのものにもMCP-1が発現し、その後のマクロファージの集積をさらに呼び込んでいる可能性も示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果が集積しつつあるため、次年度以降で公表の準備に入っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はMCP-1の免疫組織化学だけでなく、IGF-1、MyoD、CD-8をマーカーにして、筋再生にマクロファージやその他細胞が与える影響を観察し、寒冷刺激でこのような因子の発現がどのように変化するかを明らかにしていきたい。
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Causes of Carryover |
消耗品の発注後、値引きがあったために生じた余十分であり、ほぼ計画通り使用している。
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