2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K01501
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
荒川 高光 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (90437442)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 敬介 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (60195047)
田口 徹 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90464156)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | マクロファージ / 寒冷刺激 / 温熱刺激 / MCP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋損傷後の再生に重要なマクロファージの動態を調べたところ、寒冷刺激だけでなく、尾部懸垂によってもマクロファージの遊走は遅延し、筋再生が阻害された。 今回、マクロファージの遊走に重要な因子であるMCP-1(CCL2)の免疫組織化学を行い、筋線維内、衛星細胞などに局在していることを明らかになり、基礎理学療法学会で学会発表を行った。MCP-1はマクロファージが損傷部に集積する前の時点で、筋線維や衛星細胞に発現していることが明らかになってきた。筋損傷の刺激によって衛星細胞が活性化され、そこにMCP-1が発現し、それによってマクロファージが筋の損傷部位へ集積するのではないか、と考えられる。マクロファージそのものにもMCP-1が発現しており、その後のマクロファージの集積をさらに呼び込んでいる可能性が示唆された。 今回は筋損傷後に温熱刺激を試みた。すると、対照群よりも早く、温熱刺激を与えた動物のMCP-1発現が衛星細胞において観察できた。その後の筋線維に浸潤するマクロファージ数を経時的に観察したところ、各時点において浸潤するマクロファージ数が温熱刺激を与えた群で多いという結果を得た。筋損傷後の温熱刺激が筋再生にとってプラスの効果を与えている根拠として考えたい。本研究は国際学会で発表予定である。 さらに、マクロファージのタイプが変化する可能性を鑑み、iNOSで免疫染色してM1マクロファージの動態を観察した。すると、好中球が集積、浸潤した後に衛星細胞などにMCP-1が発現し、その後M1マクロファージが集積していることが明らかとなった。M1マクロファージはNOを産生し、周囲の筋線維を溶解させる。それによって、一次的な損傷の後の二次的な筋損傷が拡大していく可能性が示唆された。また、NOによって衛星細胞が刺激され、集積する可能性も考えられた。本結果も早期に発表予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を学会発表していっている。論文作成準備段階である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、M1マクロファージの免疫染色としてiNOSを使用している。iNOSが各種温度刺激により、損傷筋内でアップレギュレートしているのかをWestern blottingで確認中である。 M2マクロファージも免疫染色で明らかにしていきたい。 さらには筋再生が進行しているかどうかを調べるため、衛星細胞をPax7で同定し、MyoDと共発現するのかどうかを調べたい。
|
Causes of Carryover |
消耗品の発注後、値引きがあったために生じた余十分が次年度使用額として計上されたものである。ほぼ計画通り使用している。本次年度使用額は少額ではあるが、次年度の実験用消耗品に使用する計画である。
|