2019 Fiscal Year Annual Research Report
Studies of stimulus condition of the cryotherapy and heat treatment
Project/Area Number |
17K01501
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
荒川 高光 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (90437442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 敬介 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (60195047)
田口 徹 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90464156)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マクロファージ / 寒冷刺激 / 温熱刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋の挫滅損傷後、20分間の寒冷療法により、損傷後12時間後に起こるマクロファージの集積が抑制された。この現象に先んじて、損傷3時間後の好中球の損傷部への集積数、損傷6時間後のCCL2陽性細胞(おそらくマクロファージ)の損傷部への集積数も、寒冷療法を施すことで対照群よりも減少していた。挫滅損傷後の20分間の寒冷療法は筋の再生を遅延、抑制させることが分かっている。よって今回明らかとなったこの現象は好中球の集積後に起こるマクロファージの集積が筋再生に影響していることを示している。 同様の挫滅損傷モデル動物に対し、温熱療法を行った結果、CCL2陽性の筋衛星細胞の出現が早期化し、マクロファージの集積も促進されていた。挫滅損傷後の20分間の温熱療法は筋の再生を促進させることが分かっている。よって温熱療法により、マクロファージ集積が促進すること、その前段階として衛星細胞がCCL2を発現することが筋再生の促進と関連する可能性を明らかにした。 また、同様の挫滅損傷に対し尾部懸垂を実施した。それは、筋損傷直後のいわゆるRICE処置 (R: Rest; 安静、I: Ice; 冷却、C: Compression; 圧迫、E: Elevaton; 挙上)のうち、安静と挙上を行いことのできる動物モデルと想定したからである。すると、尾部懸垂を施した動物の長趾伸筋は、再生が遅れ、炎症性マクロファージの遊走も遅延、引き続いて衛星細胞の遊走も遅れていた。すなわち、尾部懸垂は筋再生過程を遅延、阻害することが考えられた。 これらのことから、RICE処置は根本的に見直す必要があると考えられる。
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