2017 Fiscal Year Research-status Report
指先の感覚情報を利用した立位姿勢安定化のメカニズム解明と高齢者の転倒予防への応用
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17K01504
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 真 広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 講師 (50435690)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 立位 / Light touch / 足圧中心 / 外乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の転倒は骨折や寝たきりにつながり,転倒予防は超高齢社会を迎えた我が国の喫緊の課題である.転倒の主な生理学的要因は,立位バランス機能の低下である.その改善には,筋量・筋力の向上だけでは不十分であり,感覚系からのフィードバック情報に基づく適切な運動指令による各筋の制御という一連の神経機構の機能向上が不可欠である.立位保持中の姿勢動揺を減少させ,安定化させる方法として,固定点へ指先で軽く触れること(Light touch: LT)がよく知られている.この姿勢動揺の減少は指先接触による力学的支持ではなく,求心性の体性感覚情報に基づく神経制御に起因するとされている. 本年度は静止立位保持中の床面の水平周期振動外乱に対する適応課程に,LTが及ぼす効果を足圧中心(Center of pressure: COP)の挙動を指標に検討した.水平周期振動外乱はBASYS(テック技版社)を用いて,1.0 Hzで前後方向(振幅30 mm)に30秒間とし,十分な休息を挟み,11試行繰り返した.健常若年者20人を10人ずつの2群に無作為に分け,固定点へ両示指を接触する(I N未満)条件(LT条件)と接触しない条件(NT条件)の2条件で実施し,30秒間のCOP総軌跡長の経時的変化を比較した.なお,1試行目と11試行目はどちらの条件もNT条件で行い,2試行目から10試行目までをどちらかの条件で行った.LT条件ではNT条件に比べて有意に早く総軌跡長が減少し,LT条件の11試行目はNT条件と同程度であった. 以上の結果より,水平周期振動外乱に対する適応課程において,LTは身体動揺をより減少させ,さらにLTのない状況下でも適応できていることを示唆し,バランス練習の際に有効な介入方法であると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水平周期振動外乱に対する適応過程におけるLight touch(LT)の効果について,新たな知見を得た.次年度以降,この適応過程の神経生理学的機序及び運動学的特徴について研究を進めていく予定で,3年間の研究計画はおおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に得られた成果をもとに,次年度以降,立位姿勢の神経制御メカニズムを運動学・運動力学的側面と統合して研究を進めていく.既に,予備的な実験を開始しており,研究計画に従い,研究を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
(理由)当初の研究計画では予定になかったが,新たな研究機器が必要となり,次年度の助成金と合わせて購入するため. (使用計画)次年度の助成金と合わせて,研究機器を購入する予定である.
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Research Products
(7 results)