2022 Fiscal Year Annual Research Report
A research of relate to head-eye movement cooperation and daily and/or learning activity in developmental disorder
Project/Area Number |
17K01514
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
仙石 泰仁 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10248669)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 眼球-頭部協調 / 分担比 |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚は人間が外界の情報を取得するうえで最も重要な機能である.眼球-頭部協調運動は動く対象物を把握する,中心視野に対象物を適切に捉え注意を持続するといった日常生活を送る上で必要な機能の基盤となっている.これまで,眼球-頭部協調運動の特性について個体内で課題特性による比較を行ってきたが,個体間比較を行う上で個人差が大きく比較が困難であった.本年度は対象者の単純な追視課題における視覚運動と頭部運動の課題中の分担比を基準として,課題毎の特性を個体間で比較する試みを行った.用いた課題は左右に動く視標の追視を行う追視課題,検者が読み上げる数字に合わせてモニター上の数字を探索する視覚探索課題,モニター中央に表示されるターゲットの色を確認した後に,該当する箇所の指差しする分類課題を実施した.分析は基本的な眼球頭部協調運動である追視課題時の眼球運動・頭部運動分担比を算出し,各課題でその比に対する相対値を求めた.対象は健常成人5名であった.結果では個々人の追視課題を基準とした眼球運動・頭部運動分担比では,視覚探索課題において1.11/1.89(頭部X軸/頭部Y軸),分類課題において0.47/0.70(頭部X軸/頭部Y軸)となり,視覚探索課題と分類課題での大きな値の違いが認められた.この結果からは視覚探索課題は頭部運動優位,分類課題では視覚運動優位の方略を共通して取っていることが推測され,課題特性に応じた協調性のメカニズムがあることが示唆された.これは視覚探索課題ではすばやい予測が必要な際や正答率を上げるために頭部運動が先行(杉山,2018)すること,認知負荷の増大する状況では眼球運動が増加する(村瀬,2018)といった先行研究における知見とも一致する結果であった.
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