2017 Fiscal Year Research-status Report
Effect of external and internal focus on postural response to perturbation
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17K01522
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
平岡 浩一 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (10321209)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 外乱姿勢制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
内的注意あるいは外的注意が外乱姿勢制御に及ぼす影響を検証する目的で実験を行った。本年度は機材の購入、実験準備及び第一実験を実施した。第一実験では、認知条件付け(外的注意と内的注意)を実施した時の水平方向への支持面滑走による姿勢外乱に対する骨盤および胸部の姿勢動揺の変化を観察した。認知条件付けは、胸部動揺注意条件、骨盤動揺注意条件、不安定シリンダー注意条件、数字注意条件であった。滑走の振幅は5 cm、外乱方向は前方滑走・後方滑走をランダムな順序で実施した。この実験のデータを解析した結果、支持面の前方滑走時に限定して不安定シリンダー注意条件と骨盤動揺注意条件で有意な骨盤動揺の減少を確認した。前方滑走のみで認知課題の効果が生じた原因は、滑走方向により姿勢反応参加筋が異なり、したがって反応プログラムが異なり、この結果、その異なる反応プログラムが脊髄上で行われる認知プロセスに対して異なる感度を保持していることが考えられた。また、骨盤動揺のみに認知課題の影響があったことについては、外乱に対して骨盤は大きく動揺したのと比較して胸部は比較的小さかったことから、骨盤動揺に対する反応が支持面水平滑走による外乱への主な反応プロセスであったことが理由と考えられた。これらの認知課題による外乱姿勢反応への影響は、central setの作用が寄与していると考えられる。このcentral setは外乱への反応を準備するプロセスを含むため、外乱パターンが予測できる場合に有効に作用すると考えられるが、今回の実験では前方および後方外乱を予期できない条件下でも認知条件付けの効果が生じた。これら成果の論文化の作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は実験の準備および第一実験の実施とそのデータ解析および論文化を実施する予定であった。加速度センサおよびその他測定機器の準備は順調に推移した。また実験デザイン立案および予備実験も順調に進み、所属先の研究倫理審査も滞りなく承認されたため、本実験に予定通りに進むことができた。実験結果も予想に近い内容であったため、現在は論文化を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
第一実験では、外的注意・内的注意が外乱姿勢制御に及ぼす影響について検証し、一部それら認知課題が有効であることが確認できた。今後の研究では、視覚注意において無意識下で姿勢動揺を抑制する努力をさせたときの外乱新姿勢制御の変化を検証する。さらに後方への支持面滑走による外乱で活動する筋の認知課題に対する特異性も検証していく予定である。また、今年度の研究で生じた、外乱方向を予期できなくてもcentral setが作用するという知見についてさらに究明していく。
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Causes of Carryover |
本年度予定していた計測機器の購入を次年度の購入に延期したため、購入しなかった分の直接経費の使用額が予定よりも少なくなった。次年度は本年度購入しなかった計測機器を購入する予定である。
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