2017 Fiscal Year Research-status Report
足部内在筋収縮トレーニングによる足部外在筋への抑制効果
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17K01524
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
金井 秀作 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (70326437)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 足部縦アーチ動的変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの足部内在筋,特に母趾外転筋や短母趾屈筋はサルに比べ非常に発達しており,ヒトの足部に特徴的なアーチ構造の支持への貢献が報告されている。しかしこれまでの報告は静的環境下での検証に限られており,歩行や走行などの動的場面における足部内在筋の機能的役割は明らかにされていない。そこで本研究では,歩行における足部内在筋の機能的役割を解明する目的で,電気刺激を用いて再現した足部内在筋の収縮力の強化が歩行立脚期の足部・足関節に及ぼす運動学的影響を検証した。足部内在筋への電気刺激によって,舟状骨高が最小値に達するタイミングの遅延(73.7±6.7%stance→76.7±5.9%stance)およびその瞬間における前足部内転角度(8.3±3.8deg→7.5±3.8deg)と内返し角度(3.1±3.5deg→3.9±3.7deg)の増加,最大足関節外返しモーメントの増加(118.0±76.2Nmm/kg→164.4±70.3Nmm/kg),床反力上方成分の減少(112.9±5.9%BW→110.7±5.8%BW)が確認された。前足部内転角度と内返し角度,足関節外返しモーメントの増加は,電気刺激によって母趾外転筋を主とする足部内在筋の収縮力が増加したことと,電気刺激に対する逃避が生じなかったことを意味する。本研究で再現した足部内在筋の収縮力の強化は,舟状骨高が最小値に達するタイミングの遅延と床反力上方成分の減少を引き起こし,足部内在筋には立脚終期における足部への衝撃を吸収する作用があることが示唆された。足部内在筋トレーニングの効果検証は,動的場面におけるこれらの変化にも着目すべきだと考えられる。本研究成果の一部は論文投稿済みである。継続して内在筋個別強化および即時効果以外の視点で検証を続ける予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いわゆる正常なアーチに対する電気刺激においての変化は確認できたが,扁平足に対する変化については被験者の振り分けに課題を残した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初研究計画に基づき,母趾外転筋の筋活動が電気的に強化された際の歩行中の足部運動を三次元的に解析する。また,トレーニング直後に、歩行中の足部運動が1 の変化に近づいているか確認する(即時効果),トレーニング直後に、歩行中の母趾外転筋の筋活動が増加しているか調べる(即時効果)そしてトレーニングの継続による長期効果および持続効果について、機能・構造上の変化に加え動作場面(歩行)における変化の視点から明らかにする予定。
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Causes of Carryover |
扁平足条件等被験者募集において想定した数を集めることが困難であった。被験者条件については再検討を行う。
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Research Products
(1 results)