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2017 Fiscal Year Research-status Report

認知症高齢者に対する包括的生活支援プログラムの開発と検証:ランダム化比較試験

Research Project

Project/Area Number 17K01528
Research InstitutionMejiro University

Principal Investigator

山田 孝  目白大学, 保健医療学部, 教授 (70158202)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小林 法一  首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30333652)
會田 玉美  目白大学, 保健医療学部, 教授 (60406569)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords高齢期認知症 / RCT / MOHOST / HDS-R / 人間作業モデル
Outline of Annual Research Achievements

認知症高齢者に対するプログラム開発のために,2つの研究を実施した.まず,認知症高齢者の作業療法介入を明らかにするために,文献レビューを実施した.66件の原著論文の発表年,雑誌の種類,エビデンスレベル,介入内容,概念的実践モデルを調査した結果,Ⅰbの研究は1件と少ないが,ⅡaやⅡbの研究も全体の4割を超えており,アウトカムは認知機能,認知症の行動・心理症状,作業機能の順で多かった.結果から,認知症の中核症状と周辺症状,および,作業機能の維持・改善に対する認知症治療のエビデンスが構築されていた.エビデンスレベルごとの介入内容は,ⅠbからⅣの全レベルで人間作業モデルに基づく介入の研究論文が最多であったことから,他の介入法よりも人間作業モデル(以下,MOHO)による介入のエビデンスが構築されていることがわかった.実践的概念モデルは認知モデルが多く用いられていたが,事例研究ではMOHOが最多であった.1つしかなかったⅠbの研究はMOHOの介入であった.
また,認知症の治療に関するニーズ評価のための作業療法士にアンケート調査を実施し,用いる概念的実践モデルと,そのモデルを用いる理論的根拠を明らかにした.MOHOの講習会や事例検討会の参加者に無記名アンケーを実施した結果,作業の目標を決めるための評価法は「特にない」が半数近くを占め,具体的な評価はMOHOの評価法が多数を占めていた.知っている治療法は回想法,レクリエーション,脳活性化,日常生活活動,手工芸,音楽,園芸などがあげられ,使っている治療法は脳活性化,日常生活活動,レクリエーション,手工芸,回想法などがあげられていた.使っている理論はMOHOが多く,プログラムで用いる概念的実践モデルとしてMOHOがあげられた.MPHPを用いるための理論的根拠としては実践志向性と作業に焦点を当てた実践というMPHOの特徴があげられた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

プログラム開発はA.ニーズ評価,B.プログラム計画,C.ブログラムの実施,D.プログラムの評価の順に進行していくとされている.現在,文献レビーとニーズ評価が終わり,プログラム計画と実施に入っている.プログラムのニーズは「対象者の個別的な日常生活の文脈に即した日課の構築と支援」にあることが明らかになった.そのことは人間作業モデル(以下,MOHO)の特徴でもある.MOHOを用いるための理論的根拠としては実践志向性と作業に焦点を当てた実践,そして,クライアント中心の実践というMOHOの特徴そのものがあげられる.
試験研究では,プログラム計画には,MOHOを用いて,MOHOの評価法である「認知症高齢者の絵カード評価法(APCD)」を用いて,認知症高齢者の個別的な価値と興味のある活動のニーズを明らかにし,ニーズに基づく作業療法を実施すること,また「人間作業モデルスクリーニングツール(MOHOST)」を用いて前後比較を実施することが効果的であることを示している.したがって,これらのことをプログラムとして実施し,ランダム化比較試験によってこのMOHOを用いたアプローチの評価を実施する目途が立った.

Strategy for Future Research Activity

現在までの進捗状況の項でも述べたが,試験研究では,MOHOを用いたプログラム計画を立てて,MOHOの評価法である「認知症高齢者の絵カード評価法(APCD)」により認知症高齢者の個別的な価値と興味のある活動のニーズを明らかにし,ニーズに基づく作業療法を実施すること,また「人間作業モデルスクリーニングツール(MOHOST)」を用いて前後比較を実施することが効果的であることを示している.したがって,認知症高齢者の大事にしていて(つまり,価値のある),興味がある活動をプログラムとして実施する.プログラムの評価としては,ランダム化比較試験によってMOHOを用いたアプローチと従来の作業療法とをOHOSTを用いて比較する.

Causes of Carryover

平成29年度は目白大学を定年退職する年であり,通常業務よりも多くの業務に迫られ,十分に研究する時間がなかったという状態でした.平成30年度は定年退職して,目白大学の客員研究員になり,研究に充てる時間が増えると思います.特に高齢認知症者に対する人間作業モデルのアプローチに関する研修を提供することを考えいるので,旅費が増えるものと考えています.

  • Research Products

    (5 results)

All 2017

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 認知症高齢者に対するプログラム計画のための文献ビュー2017

    • Author(s)
      山田孝,篠原和也,小林法一,會田玉美
    • Journal Title

      作業行動研究

      Volume: 21 Pages: 9-19

    • DOI

      ISSN0919-5300

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 認知症高齢者に対するプログラム開発のための作業療法士に対するニーズ評価2017

    • Author(s)
      山田孝,篠原和也,小林法一,會田玉美
    • Journal Title

      作業行動研究

      Volume: 21 Pages: 85-92

    • DOI

      ISSN0919-5300

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 認知症者に対する作業中心の実験群と機能訓練中心の統制群のランダム化比較試験2017

    • Author(s)
      山田孝,小林法一,篠原和也,新岡美樹,長谷川由美子
    • Organizer
      第27回日本作業行動学会学術集会
  • [Presentation] 認知症者をし対象とした認知症高齢者の絵カード評価法の通過率2017

    • Author(s)
      井口知也,山田孝,小林法一
    • Organizer
      第27回日本作業行動学会学術集会
  • [Presentation] 作業に対する想いを共有したことで役割の獲得につながった事例2017

    • Author(s)
      渡部雄太,井口知也,山田孝
    • Organizer
      第27回日本作業行動学会学術集会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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