2019 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of a program to prevent aspiration in multiple system atrophy - Relationship between swallowing muscle stiffness and respiratory function
Project/Area Number |
17K01532
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Research Institution | University of Tokyo Health Sciences |
Principal Investigator |
内田 学 東京医療学院大学, 保健医療学部, 准教授 (80531475)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 嚥下筋 / 筋強剛 / 温熱刺激 / 姿勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多系統萎縮症における姿勢と嚥下機能の関連性について検討を実施した。多系統萎縮症の死因として誤嚥性肺炎が認められるが、口腔・顔面領域の機能性に限局して捉えられている印象がある。本研究では、多系統萎縮症の頚部、体幹のアライメントと嚥下機能の関連性について検討を実施した。多系統萎縮症の嚥下筋は、首下がりなどの機能障害が直接的に嚥下筋活動を制限していることを明確にした。手法として、表面筋電図学的解析を用いて、咬筋、顎二腹筋、甲状舌骨筋を被検筋とした解析を実施した。不良姿勢時における嚥下筋活動は、喉頭を挙上させる為に必要な咬筋と顎二腹筋の共同収縮が制限され、代償的に甲状舌骨筋が先行するという異常パターンを示した。この結果からも、多系統萎縮症における異常姿勢は、嚥下筋活動を抑制する結果につながっていることと推察される。異常姿勢は、胸郭を拘束性に変容する結果を呈することも明確にした。顕性誤嚥が発生した際に、より防御的に作用させる咳嗽反射の出現には侠客を最大に拡張させた換気が要求される。異常姿勢による首たれや腰曲がりなどの姿勢が肋椎関節の運動面を固定している結果から換気が制限されていることを推察した。異常姿勢は、嚥下機能と呼吸機能の両面を制限し、嚥下機能障害を構築していることを明確にした。 介入として、温熱刺激(超音波療法)を選択し、筋強剛(固縮)に支配されている嚥下筋に対する介入効果を検証した。温熱刺激は筋緊張を病的に亢進させる筋強剛を減弱させる効果がEBMとして示されており、実際に運動性を誘導する手段としては大変有効である。嚥下筋に対する温熱刺激療法の前後では嚥下機能に有意な差を認めた。また、咳嗽力などの指標となるCPFも有意な改善を認めた。多系統萎縮症に対するリハビリテーション介入の一つの選択肢として、姿勢の調整と嚥下筋に対する温熱刺激療法の有効性が示唆された。
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Research Products
(9 results)