2020 Fiscal Year Research-status Report
Habitual Exercise in the Chronic Pain Prevention: Elucidation of the Mechanism
Project/Area Number |
17K01539
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
大道 美香 金沢医科大学, 医学部, 協力研究員 (30581079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 宗和 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10384984)
大道 裕介 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (50506673)
安井 正佐也 常葉大学, 健康プロデュース学部, 講師 (10723695) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運動習慣 / 慢性痛 / 不活動 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体不活動による慢性痛の発症機序の解明のため,ギプス固定後慢性痛(CPCP)モデルラットを開発した。 CPCPモデルラットは、片側後肢をギプス固定し、2週間不動化することで,固定側後肢から始まり反対側の後肢や尾部へと広範囲に拡大する慢性痛を発症する。運動習慣による高活動状態は、身体のフィットネスを高め、抗酸化酵素の誘導やインスリン感 受性などを増大し、糖尿病、肥満、高血圧、虚血性心疾患、高脂血症などの慢性疾患の発症リスクを軽減する。高フィットネス状態は、こうした慢性疾患の予防のみならず、身体の不活動に起因する慢性痛に対しても発症リスクを軽減させる効果を有することが予測される。本研究では,CPCPモデルラットを用いて,身体不活動による慢性痛の予防戦略や新たな理学療法の基盤構築を目指している. 本年度は、CPCPモデルラットの不活動により生じた固定側後肢の酸化損傷組織に対して前運動(慢性痛発症前自発運動)による効果検証を目的として実施した。CPCPモデルの急性期に確認された固定側後肢の運動器(骨格筋、筋膜、皮膚、皮下組織など)の酸化損傷組織における前運動効果を免疫組織学的に解析した。前運動群は、運動量依存性に、酸化損傷の程度の抑制が確認できた。この結果から,前運動による抗酸化能の増大が末梢組織の酸化傷害抑制することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19による影響を受け、留学の中止および、所属機関の異動に伴い、実験を遂行できない状況(動物飼育環境や実験環境の再構築からのスタート)であったため、実験計画を実行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に実施予定だった、前運動による酸化ストレス抑制に関わる分子シグナルの解析を行う予定である。運動により高フィットネス状態になると、不活動による酸化ストレスに対する生体の抗酸化能の増大が予測される。ヒラメ筋、腓腹筋、皮膚、また固定肢支配領域の DRG、脊髄について、抗酸化能の総合評価を行う。ギプス固定下にあるヒラメ筋、腓腹筋、前脛骨筋における Mn-SOD(ミトコンドリアに局在する抗酸化酵素)、カタラーゼ、ミトコンドリア活性化因子 PCG1-α、 ヒストン脱アセチル化酵素 SIRT1 の発現変化についてタ ンパクおよび遺伝子解析を行う。得られた研究成果は、学術集会で発表後、疼痛関連の国内および国際誌に公表する。
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Causes of Carryover |
所属の異動に伴い、次年度への使用額が生じた。次年度は、今年度に実施予定だった、前運動による酸化ストレス抑制に関わる分子シグナルの解析を行う予定である。運動により高フィットネス状態になると、不活動による酸化ストレスに対する生体の抗酸化能の増大が予測される。固定肢赤筋また固定肢支配領域の DRGや脊髄について抗酸化能の総合評価を行い、予防的効果の検証を行う。
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Research Products
(5 results)