2018 Fiscal Year Research-status Report
足アーチの弾性的特性と足部の筋活動からみた足アーチ構造の機能的意義の再考
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17K01540
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
栗原 俊之 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 准教授 (10454076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 靖司 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (10546708)
伊坂 忠夫 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30247811)
寺田 昌史 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (50779064)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 足アーチ / 足趾筋力 / 弾性特性 / 足内在筋 / 筋活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は実験2-2および実験3を行った。 実験2-2:足部内在筋の加重応答測定:加重負荷時の足内在筋の筋活動をワイヤ筋電図にて取得した。一般成人被験者20名に対して短母趾屈筋、長母趾屈筋、母趾外転筋、後脛骨筋にワイヤ筋電図を挿入し、椅子座位姿勢にて膝上に体重の100%重量までの負荷を荷重した際の各筋の筋活動を定量し、その後、床反力計上に両足および片足にて静止立位姿勢を取った際の筋活動を定量した。足部の弾性的特性が硬い被験者と比べて、弾性的特性の柔らかい被験者では足内在筋の活動が低負荷から生じ、また、体重100%負荷時には有意に大きな筋活動を示した。また、立位では座位における同荷重時よりも大きな筋活動を示し、このことから、加重に加えて重心の動揺を制御するために足内在筋の筋活動が動員されることが示唆された。 実験3:足部の弾性的特性と運動パフォーマンスの関係:球技系選手として新たに大学アメリカンフットボール選手20名と大学バスケットボール選手30名を対象に測定を行った。さらに、バスケットボールの未成年選手(小学生・中学生・高校生)も対象として追加測定を行った(小学生39名、中学生45名、高校生43名)。一般的な偏平足の評価として使われている足アーチ高率(舟状骨高÷足長)が0.15以下の基準を満たしていたのは、大学生男子で9.6%、大学生女子で10.1%であり、高校生以下の年代では、足アーチ高率は小学生(0.165±0.023)、中学生(0.182±0.025)、高校生(0.184±0.028)と年齢とともに増加し、偏平足の基準を満たすのは小学生で21.2%、中学生で18.0%、高校生で14.1%と年齢とともに少なくなっていることから、年代が低くなるほど本研究の意義が高まると予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部の測定が滞っているものの、ほぼ当初の計画通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度、30年度の結果を受けて、足部の弾性的特性と運動パフォーマンスの関係の機能的意義を明らかにするための実験を展開する。実験3-2で、足部の弾性的特性と運動パフォーマンスの関係について、これまでのアスリート、一般成人に加え、肥満者および痩身者、ならびに妊婦を対象に測定を行う。 測定項目は弾性的特性については実験1と同様の試行を行い、運動パフォーマンスについてはつま先立ちを頻繁に使用するダンサーや素早い切り返し動作や連続跳躍動作が多くみられる球技系競技選手を対象として、実験3-1で選択された筋力および運動パフォーマンスを測定する。また、肥満者および痩身者、急速な体重増加がみられる妊婦の測定を行い、比較検討することで体重増加の影響をみる。さらに、裸足とシューズ着用時では足趾の重要性が異なると考えられるため、筋力発揮パターンの近い競技で裸足と非裸足のアスリートを対象とする。被験者数はダンサー、一般成人、肥満者、痩身者、スプリント系競技(陸上競技、ライフセーバー)、跳躍系競技(バレーボール、ビーチバレーボール)の各種目よりそれぞれ10名程度募集する。 ただし、体重増加による低アーチ者(肥満者・妊婦)の場合、運動パフォーマンスの測定項目は文部科学省の新体力テストを参考にする。
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Causes of Carryover |
前年度に前倒しで実験3の測定を始めたため、本年度に使用する予定であった謝金・人件費が少なめの執行となっている。さらに、MR装置の使用に関する学内規定が変わったため、当初予定していたMRの測定が後回しになってしまっており、次年度に集中的にMRの測定を行う予定である。
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[Journal Article] Chapter 3 Prevention of sarcopenia2018
Author(s)
Kuzuya Masafumi, Sugimoto Ken, Suzuki Takao, Watanabe Yuya, Kamibayashi Kiyotaka, Kurihara Toshiyuki, Fujimoto Masahiro, Arai Hidenori
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Journal Title
Geriatrics and Gerontology International
Volume: 18
Pages: S23-27
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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