2018 Fiscal Year Research-status Report
中枢性感作の評価に基づく筋骨格系疼痛に対する理学療法アルゴリズムの開発
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17K01543
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
西上 智彦 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (60515691)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 理学療法 / 疼痛 / 中枢性感作 / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
Central Sensitization Inventory(CSI)は中枢性感作症候群のスクリーニングツールとして有用であることが数多く報告されている.しかし,質問項目は25項目であるため,より簡便に評価可能である9項目からなる短縮版CSIが開発された.そこで,CSI-9のカットオフ値を検討した。対象は,線維筋痛症患者26名(平均年齢49.3 ± 10.5歳,女性23名),筋骨格系疼痛患者30名(平均年齢53.2 ± 14.4,女性22名),健康成人28名(平均年齢51.8 ± 16.2歳,女性21名)とした。疼痛及び生活障害(BPI),中枢性感作(短縮版CSI)を評価した。ROC分析により,短縮版CSIの判別能とカットオフ値を算出した。筋骨格系疼痛患者とのROC曲線のAUCは0.979,カットオフ値は20点(感度93.3%,特異度100%)であった。この結果,CSI-9でより患者負担が少なく,妥当性のある評価が可能となった. これまでの研究において,初期評価時に中枢性感作が高い症例では3ヶ月後の能力障害が高いことを明らかにし,かつ,簡便に評価可能である短縮版CSIを開発した.つぎに,患者教育や有酸素運動の複合療法が有効であることを明らかにするために,教育資材の開発を行った.まず,腰痛用のために,腰痛について,腰痛との向き合い方b,腰痛の自己管理,体操方法についての資材を作成した.また,Pain neuroscience educationに基づいた内容を漫画にしてよりわかりやすいように作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外来受診患者を対象に、患者教育・有酸素運動群と標準理学療法群にランダムに割当て,有効性を検討する予定であったが,教育資材の完成に時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
作成した資材を用いて,外来受診患者を対象に、患者教育・有酸素運動群と標準理学療法群にランダムに割当て、3ヶ月間それぞれ実施し、3ヶ月後、6ヶ月後の効果を検証する。主解析として、CSIの総得点が40点以上か以下かに群分けし、その2群の効果の違いを明らかにする。
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Causes of Carryover |
教育資材の印刷が次年度に回ったため
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