2020 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病の歩行左右非対称性に対する分離トレッドミルを用いた歩行練習の効果
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17K01545
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
岡田 洋平 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (80511568)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 歩行 / 分離トレドミル / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は共同研究者とともに、三次元動作解析装置を用いてパーキンソン病患者の歩行の運動学的,運動力学的解析を行った。その結果,すくみ足があるパーキンソン病患者は、すくみ足がない患者と比較して、歩行時に踵を接地した際に,重心と支持基底面の前方限界との距離が小さく、前方に平衡を失うリスクが高いことが明らかになった。また、すくみ足のある患者は踵接地時に重心の前方速度を外挿した安定性余裕は増加していることも示され、この結果はすくみ足のある患者は,可能な限り不安定な状態になならないように平衡を保持しながら歩く代償戦略をとる傾向が強いことを示していると考えられる。さらに、パーキンソン病患者の歩行前方不安定性は歩幅の低下や歩行率上昇と関連することについても確認した。これらの結果は、本研究計画において、パーキンソン病患者の歩行障害に対する運動療法介入を検討する上で有益な情報になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、研究代表者の所属施設において、パーキンソン病患者を対象にした分離トレッドミルが歩行左右対称性に及ぼす影響について検証する予定であったが、COVID-19の影響によりパーキンソン病患者のみならず健常者を対象にした介入研究も実施できない期間が継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初はパーキンソン病患者を対象にした分離トレッドミルを用いた歩行練習の介入効果に関する検証を研究代表者の所属施設において実施する計画であったが、COVID-19感染が収束しなければ、研究期間内における所属施設での実施が困難となる可能性も考えられる。その際には、パーキンソン病患者の理学療法や分離トレッドミルを用いた歩行練習に関するシステマティックレビューやメタアナリシスを実施し、これまでに実施した症例のデータと合わせて結果をまとめることも検討する予定である。
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Causes of Carryover |
パーキンソン病患者を対象にした介入研究の実証実験が年度内に実施できなかったため,謝礼金の支出がなく,次年度使用額が発生した。次年度使用額については,実証実験ができた場合には,被検者謝礼や成果報告に,COVID-19の感染状況により実証実験ができなかった場合にはシステマティックレビュー研究の実施や成果報告に使用する計画である。
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Research Products
(7 results)