2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development and clinical application of a quantitative evaluation method for motor imagery ability of hemiplegic upper limb after stroke
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17K01546
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
森岡 周 畿央大学, 健康科学部, 教授 (20388903)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 運動イメージ / 上肢機能 / 運動機能回復 / 運動主体感 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度、本研究は2つの視点から施行した。1つ目は脳卒中後上肢の運動主体感の変容の程度を調べること、そしてその変容の程度と上肢機能回復との関係を調べることである。実験には視覚誘導運動課題を用いた。実験参加者がその課題を遂行する際、視覚フィードバックとしてカーソルを提示した。カーソルには自分の動きを反映する条件と反映しない条件があり、自分の運動とカーソルの動きの誤差を基に自他帰属させた。この自他帰属のエラーを運動主体感の変容とした。実験参加者は皮質下損傷を有する脳卒中患者と健常高齢者を対象である。結果、健常高齢者に比べて脳卒中患者では、他者運動を反映するカーソルを自分が制御していると判断する誤反応を有意に認めた(Miyawaki,Morioka, PLoS One, 2020)。また、縦断研究の結果、感覚運動障害を有し日常で麻痺肢を使用できていない脳卒中患者では、発症後4週目で誤反応を認めたが、この誤反応は麻痺肢の使用頻度の増加に伴い改善した。一方で、感覚運動障害がごく軽度で麻痺肢を使用できている脳卒中患者では、全地点で誤反応を認めなかった(Miyawaki, Morioka, 2020)。 2つ目は急性期脳卒中片麻痺患者における上肢運動イメージ能力の縦断的変化を追跡した。発症5日以内の急性期脳卒中片麻痺患者を対象にした。Bimanual Circle-line coordination Taskを用いて麻痺側上肢の運動イメージ能力を測定した。また、運動機能はFugl-Meyer Assessment(FMA)を用いて検査した。初回測定後、5日毎に運動イメージ能力ならびに運動機能を確認した。その結果、脳卒中発症直後は一時的に上肢運動イメージ能力が低下しているものの、縦断的に経過を観察すると有意に運動イメージ能力が向上することが確認された。一方、発症後初期では運動イメージ能力と上肢運動機能の間に相関関係はないものの、発症後しばらく経過することで、それらの間に相関関係がみられることが確認された。
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