2020 Fiscal Year Annual Research Report
Structure of the rehabilitation strategy with complex interventions for respiratory dysfunction
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17K01547
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
今北 英高 畿央大学, 健康科学部, 教授 (00412148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 直人 広島大学, 医系科学研究科(保), 講師 (90584178)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 呼吸器疾患モデル / 運動療法 / 酸素療法 / 栄養療法 / 複合的介入 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は世界的にも患者数が急増しており、2020年には心臓病・脳卒中に次ぐ世界の死亡原因の第3位になると予想されている。呼吸器疾患モデルに対する基礎研究は、組織細胞中のある特定物質の変化や薬物治療介入による効果判定の研究報告が多数を占める。また、運動療法などの介入に関する研究としては、臨床研究が多い。 本研究は、呼吸器疾患モデルを作成し、臨床でも導入されている運動療法、栄養療法、酸素療法の治療介入が肺組織の炎症所見および筋組織の機能面に及ぼす影響を明らかすることで、基礎研究と臨床研究の融合的な研究に位置し、臨床応用に展開することを目的とした(概要には、運動の効果のみを記載する)。 シャム群(SH群)、肺気腫群(PE群)、肺気腫+運動群(EX群)の3群を設定した。PE群は、タバコ煙溶液およびリポポリサッカライド溶液を気管内に4週間噴霧投与し、EX群には投与後2週目に運動負荷試験にて運動強度を設定、3週目、4週目の2週間に介入を実施した。肺組織はCD68およびCD163、CD206抗体の蛍光免疫染色を、また横隔膜およびヒラメ筋、長趾伸筋は筋張力を測定した。血清は、インターロイキン(IL)-1β、IL-4、IL-6、IL-10、およびTNF-αレベルについて分析した。 PE群においては肺胞および気管支内にマクロファージが浸潤し、炎症所見が顕著であった。しかし、EX群にはマクロファージの浸潤が軽減していた。また、横隔膜および下肢骨格筋の筋張力はEX群で上昇した。肺気腫群では、呼吸状態の悪化が組織上でも観察されたが、EX群においては肺組織の炎症所見も軽減傾向を示した。これらの結果から、至適運動負荷を実施した場合、肺気腫症においては呼吸機能や筋機能が改善することが示唆された。
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