2017 Fiscal Year Research-status Report
3リンク型パラレルメカニズムを用いた上肢アシスト装具の開発
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17K01559
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
寺田 英嗣 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40262646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 浩二 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (60560159)
石田 和義 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (70324176)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 3リンク / パラレルリンク / くさび / アシスト装具 / 上肢 / 介助機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず体位交換と車椅子への移乗の2つに代表される介護作業時の肩関節・肘関節動作解析を高速度カメラおよび画像解析評価装置を用いて行った.その結果,半球面の動きに近い広範囲の動作が必要であることが定量的に確認された.またこの結果に基づいた動作範囲を持つパラレルリンク機構について特異点解析を行うとともに非対称形状の実現のための肩関節シミュレーション解析を行った.この解析では人体のアームも一つのリンクとして拘束条件にして,これにより特異点を回避するための各リンクアーム長,初期配置位置および回転角を決定することができた. またこれらの解析結果に基づいて,体に沿うような外骨格パラレルリンク型肩関節装具を設計,試作を行った.特に体との干渉を防ぐために,一般的なリンク配置形状とは異なり非対称形状を有する形状とした.更に装具の軽量化を図るために,当初予定していたリハビリテーション機器用カフを使用せず,新たに研究代表者らが軽量なカフを設計することにより従来より250g程度軽量化することができた.これは上肢の負担を減らすうえで効果が見られるものである.また,これを実際に装着して前述の画像解析装置で計測を行い,作業範囲が設計した範囲に到達しているかどうか検証を行い,十分な機能を有していることを確認した. 更に上肢にかかる力を補助するためには,実際には姿勢の維持で十分であることが動作解析結果から裏付けられたことから,姿勢保持機構に使用するパラレルリンクロック機構のための,電磁ソレノイドとくさび効果を利用したメカニカルロック機構から構成される,ハイブリッドロック機構を新たに検討しその基本制御手法を確立した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた解析および装具本体の設計・試作を行い,動作範囲も検証できたことから,ほぼ予定通りに研究が進んでいると判断できる.特に当初予定していた市販のカフでは重量増が解消できないことから,新たに研究代表者らが軽量かつ動作に干渉しない薄型のカフを設計できたことも順調に進展した要因と考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り,電磁ソレノイドとくさび効果を利用したメカニカルロック機構から構成される,ハイブリッドロック機構について試験機による特性評価を行い有効性と安全性を検証する.更に本装具に搭載できる小型機構の設計・製作を行い,本年度中にアシスト装具の基本仕様を満足する,実験用機体を完成させる.
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Causes of Carryover |
市販品より軽量かつ安価に装着カフ構造を提案・設計できたことから費用を節約できた.この節約できた分を動作ロック機構の検証用システム製作費および機器可動部の保護カバー製作費に充当する.
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