2018 Fiscal Year Research-status Report
小児脊柱側弯症に対する生体内三次元骨格動態解析に基づく動的脊柱装具の開発
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17K01572
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高取 良太 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10351355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 佳伸 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80719865)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脊柱側弯症 / 装具療法 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度から実施している平成17年以降に装具療法を施行した70例の思春期特発性側弯症に対する従来型硬性装具(Boston装具)の初期矯正効果のデータ解析を進めた.現時点での解析結果では,Boston装具の初期矯正効果は,頂椎が胸腰移行部(T11-L1)である症例で45%を超え,頂椎がT8より上位の症例で30%を下回る傾向を認めた.Boston装具は胸腰移行部に頂椎を持つ患者で最も高い矯正効果が期待できると考えた.また,代償性の矯正効果により装着範囲外である上位胸椎の変形に対しても一定の矯正効果が期待できるが,過去の報告と同様に最大カーブの頂椎がT8より上位にある症例において矯正率が低い傾向を認めた.初期矯正効果は装具のデザインを考える上で,重要な因子と考えられ,この研究で初期矯正効果が低いと想定される側弯形態を有する症例には新たな装具での治療開始が望ましいと考えた.今後矢状面での矯正効果や実際の治療結果,コンプライアンスなどの研究を進める予定である. 新型装具のデザインを考案し,初期矯正効果を検討したところ,矯正効果がある程度得られている.先行研究で新型装具の導入に適応すると考えられる症例,Boston装具の適応があるが,コンプライアンスなどから脱落した症例を中心に新型軟性装具を導入し,症例数を積み重ねている段階である.単純X線での経過観察,装具療法の使用状況,コンプライアンスに関する質問票などを用いて,調査,評価している.側弯形態および装具療法の効果を客観的に評価するシステムの導入を検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存の治療法の検討と新規治療法の導入を並行して進行できている.
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Strategy for Future Research Activity |
新規装具の開発に関しては,数か月の使用で装具がいたみ,比較的短期間で交換を有する症例が出てきている.素材の耐久性,デザインを評価し,装具の見直しを検討する.装具療法の効果として,単純X線での初期矯正効果,経時的な側弯形態の変化ととともに,客観的に評価できるシステムの導入を検討している.
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Causes of Carryover |
側弯形態を客観的に評価できる3Dスキャニングカメラ,ボディバランスモニターの購入,導入を次年度に予定しているため,次年度使用額が生じました.
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Research Products
(1 results)