2020 Fiscal Year Research-status Report
小児脊柱側弯症に対する生体内三次元骨格動態解析に基づく動的脊柱装具の開発
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17K01572
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高取 良太 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10351355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 佳伸 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80719865)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脊柱側弯症 / 装具療法 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果に基づき,新しい装具療法の適応として,既存の装具療法でコンプライアンスの問題から脱落した症例,先行研究で装具療法の効果が得られにくい形態の症例,既存の治療と併用目的で使用予定の症例,腰痛症状が強い症例とした. 次に三次元画像解析の検討結果,側弯症における軸回旋変形に対する矯正効果を考慮した2つの新しい装具を考案した.主として胸椎カーブに対する矯正効果を期待する胸椎用軟性装具と胸椎側弯による代償性の腰椎回旋変形に対する腰椎用軟性装具のデザインを決定した. 同意の得られた症例に順次装具療法を導入し,症例数を増やしている段階である.先行研究でも活用したInitial Correction Rate (ICR:初期矯正効果)を装着前,装着後の単純X線画像を用いて計測し,装具療法を着用することでの得られる矯正効果を判定,予測するとともに,装具着用による悪影響がないことを確認している.また装具着用における着用時間,自覚症状,コンプラインスを評価している. また昨年度から実施している思春期特発性側弯症Lenke 1Aの1A-Rと1A-Lのサブタイプに関する三次元画像を用いた解析を行い,腰椎椎間での側屈,軸回旋に相違を認めたことから,1A-Rと1A-Lでは側弯形態に相違があり,腰椎カーブに相違があることが定量的に示されたと考えた.側屈および回旋の特徴は,1A-Rの腰椎カーブは胸椎カーブの代償性カーブであるとする過去の報告に一致し,この相違が装具療法においても矯正効果に影響する可能性があると考えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により,通常診療や渡航を含む学会活動の制限もあり,研究の進捗状況にもやや遅延を生じたため,さらに1年間の補助事業期間再延長を申請させていただいた.
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Strategy for Future Research Activity |
新型装具の症例数を積み重ねていくとともに,初期に導入した症例の経時的変化を含めた治療成績を検証していく. また三次元画像解析を用いて,側弯症の形態について知見を重ね,側弯形態が装具療法の治療効果に与える影響について調査していく予定である.
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Causes of Carryover |
装具開発に関しては,おおむね順調に進んでいましたが,新型コロナウイルス感染症の影響もあり,症例の登録,研究成果の蓄積などに遅延を生じたため,次年度使用額が生じました.最終年度に研究成果の取りまとめ,研究成果の発表,論文作成を予定しており,装具作成費用,成果発表の諸費用,英語論文校正費用に使用予定です.
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Research Products
(1 results)