2018 Fiscal Year Research-status Report
短下肢装具の背屈制動の有無が回復期片麻痺者の歩行に及ぼす影響
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17K01577
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山本 澄子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (30302102)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 短下肢装具 / 片麻痺者 / 回復期 / 歩行分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は回復期片麻痺者に対して、歩行練習で使用する短下肢装具の違いが歩行に及ぼす影響を明らかにすることである。装具の機能として足継手背屈方向の制動の有無に着目し、対象とする装具は背屈制動機能を持つ継手なし靴ベラ式装具(以下、シューホン(SHB))と背屈制動機能をもたない継手付き装具(油圧装具、以下OD)とした。回復期片麻痺者を対象として平行棒や理学療法士による介助なしで歩行が可能となった時点を開始点として、それぞれの装具を使用した理学療法士による歩行練習を1日1回、1時間、2週間実施し、練習前の装具なし歩行と練習後の装具歩行を3次元動作計測装置で計測して比較した。 片麻痺者の装具歩行に関しては、立脚期の底屈筋の活動を補助する背屈制動が必要であるという意見と不要であるという意見が対立しており、いまだ一定の見解が得られていない。本研究の結果が得られれば、従来の課題にある程度の結論を出すことができ、片麻痺者の歩行回復に対して一定の見解が得られると考えられる。 従来、片麻痺者の装具歩行の分析は発症後6か月以上の維持期の対象者を対象とする研究が多かった。しかし、維持期の対象者の歩行はそれまでに使用した装具の種類や歩行練習の内容に影響を受けるため、維持期の対象者を対象として装具の機能の比較を行うことは限界があると考えた。そのため、本研究では歩行が確立する以前の回復期の片麻痺者を対象として研究を行うことに新規性があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象者の選定基準(装具を使用した理学療法士による歩行練習を実施している、装具があれば自立歩行が可能)を満たし、除外条件(整形外科的疾患がない、口頭指示の理解が可能)を除いて同意が得られる対象者が限られているため、対象者のリクルートに時間を要している。現在は上記条件に合致する対象者を選定して歩行計測を行っている段階である。対象者数の目標は両群で40名であるが、現在のところSHB群、OD群をを含めて28名の計測を終了、データ処理を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度も引き続き計測を行い、データ処理を行って2群の比較を行い、学会発表、論文投稿を予定している。対象者のリクルートが難しいことから、対象者数が計画の40名に至らない場合でも2019年9月ごろに計測を打ち切り、データ整理、論文執筆を行う。2019年10月に神戸で開催される国際義肢装具連盟学術大会(ISPO Kobe)の教育講演で結果の一部を提示する予定である。
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Causes of Carryover |
研究成果について国内外での発表を予定していたが、計測対象者のリクルートに時間を要してデータをまとめるまでに時間がかかったため、研究発表は2019年度以降に行うこととした。
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