2019 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中片麻痺に対するスティック型簡易上肢機能訓練機器の開発
Project/Area Number |
17K01586
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
酒井 弘美 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (40624945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠本 泰士 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (60710465)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 上肢機能回復 / スティック型 / 訓練器機開発 / 動作解析 / 効果検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、国内外で片麻痺の上肢機能訓練用ロボットの開発がなされているが、それらはいずれも高価で大装備であるため、一般には普及しづらい。そこで、研究代表者らは比較的安価で作成でき、ポータブルで、かつ簡単な操作で使用可能な上肢訓練機器の開発をめざしている。本研究の目的は、脳卒中片麻痺上肢に対する空間操作が可能なスティック型簡易訓練機器を開発し、効果を検討することである。 今年度は、開発したスティック型簡易訓練機器について、臨床での効果の検証と同機器を使用した動作解析を行った。また、同様の働きができる手用の機器の開発を行い、臨床での使用を試みた。 腕用訓練機器の臨床試験に関しては、3つの協力病院において、片麻痺患者20名を対象に治療前と治療後の変化を評価し、2019年6月のリハビリテーション学会で報告した。また、幼少期から片麻痺となり長期にわたり廃用手であった症例に同機器を使用し、機能およびADL・QOLに改善が得られた症例について2019年6月の日本リハビリテーション学会および9月の作業療法学会で発表した。現在論文作成中である。 動作解析については、同様機器を試用した際の健常者と片麻痺者の動作の違いを2019年7月にカルガリーで開かれた第27回国際バイオメカニクス学会で発表した。さらに、同機器を使用した健常学生に対する分析結果について、2019年12月の日本福祉工学学会で報告した。 手関節用訓練機器に関しては、スティックを短くし、同様の機構を持つものを試作し、近隣病院で試行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
4月に不慮の事故により、機器の技術開発担当者が亡くなったため、機器の修正や確認ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
腕用・手用訓練器機における臨床試験および同機器を使用した片麻痺者の動作解析をすすめる予定であったが、COVIT-19の影響で今年度前半は臨床でのデータ収集と動作解析が実施できていない。感染の収束を待って実施したい。
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Causes of Carryover |
2019年度は、機器開発担当者の急死により、機器の修正等が十分に実施できなかった。そのため、臨床データの収集も不十分であり、予定していた研究成果の発表ができず、そのために用意した費用が未消費であった。今年度はCOVITの-19の収束状況を見ながら、データ収集とその協力金、また成果の発表に使用したい。
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