2021 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中片麻痺に対するスティック型簡易上肢機能訓練機器の開発
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17K01586
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
酒井 弘美 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (40624945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠本 泰士 福島県立医科大学, 保健科学部, 准教授 (60710465)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 上肢機能回復 / スティック型 / 訓練器機開発 / 効果検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、国内外で片麻痺の上肢機能訓練用ロボットの開発がなされているが、それらはいずれも高価で大装備であるため、一般には普及しづらい。そこで、研究代表者らは比較的安価で作成でき、ポータブルかつ簡単な操作で使用可能な上肢訓練機器の開発をめざしている。本研究の目的は、脳卒中片麻痺上肢に対するスティック型簡易訓練機器を開発し、その効果を検討することである。 今年度は、昨年までにひき続き、開発した腕用訓練機器について協力を得られる病院、老年期施設、放課後デイサービス等で効果の検証を継続した。しかし、新型コロナ禍で病院・施設の人的、および感染対策環境の問題から研究協力体制が十分とれず、また、外部からの訪問等が困難であったため、データ数が増えていないのが実情である。しかし、データ取得の方法を探るとともに、現在までのデータでの結果解析を試みている。 手用訓練機器については、協力を得られた複数病院で試用してもらい、使用感やセラピスト、片麻痺者からの意見を取り入れながら機器や使用方法の修正を行い、ほぼ完成したため、効果検証のために手の機能評価項目を加えてデータの取得を目指している。 実績に関しては、2020年作業療法学会で発表した放課後デイサービスに通所している脳性麻痺児に同機器での訓練を試みた結果について論文を作成中である。また、2021年神奈川県作業療法学会で同機器を使用した症例についての報告を行った。また、同機器を使った動作解析についての論文が2021年23巻1号の日本福祉工学学会誌に掲載されたが、学内で別な視点での動作分析を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
開発した腕用訓練機器について、2つの協力病院と1つの老年期施設で効果を検証中であるが、新型コロナ禍で病院・施設の人的、および感染対策環境の問題から研究協力体制が十分とれず、また、外部からの訪問等が困難であったため、研究者が直接被検者と接触・検査することがかなわず、データ数が増えていない。さらに、研究者と一緒に機器の開発を行い、改良を担当していた協力企業の担当者が死亡後、当機器開発部門が閉鎖となったため、スムースな機器改良がなされづらくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
機器の改良に関しては、当大学工学部のシャ教授、関西学院大学工学部の中後教授に協力を依頼し、承諾を得ている為、必要時に対応する。また、前述した企業に特許を渡していたが、特許の譲渡を受け(どちらかが開発継続できない場合は、継続者に権利を譲渡するとすることを事前に文書で確認している)、必要な改良を行う。 効果検証については、協力病院を増やし、施設に対する負担を軽くする。近隣の蒲田リハビリテーション病院、大田区立総合サポートセンターでデータ取得の内諾を得ている。早急に正式手続きを進め、データを集める予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、コロナ禍で学会等への出張、データ取得のための旅費及び謝礼金が不要であった。また、データ取得ができなかったため、1本しか論文作成に至らず、予定していた論文掲載費、翻訳校正費等がかからなかった。 次年度は協力病院を増やし、データ取得を積極的に行う。そのための旅費および謝礼に使用する。また、これまでのデータをまとめて報告するための費用に使用する。さらに、開発研究企業にある特許について譲渡を受ける費用としたい。
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