2017 Fiscal Year Research-status Report
患者の内面に働きかけるロボットセラピーの医療・介護現場への導入に関する実践的研究
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17K01591
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
永沼 充 帝京科学大学, 教育人間科学部, 教授 (70319086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 英一 帝京短期大学, 帝京短期大学, 講師 (30529722)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ロボットセラピー / リハビリテーション / コミュニケーションロボット / エージェントロボット / 認知症 / 実用化 / 医療機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒューマノイドやアニマノイドなど、生き物を模したロボットと入院患者・施設入所者との触れ合いを通じて生じるメンタルな効果を定量的に検証する。成果を医療技術者が広く共有することにより、超高齢化社会におけるロボットシステムの導入を「具体的に」促進することを目的としている。日課のラジオ体操を職員が主導してやるよりも、ロボット犬が先生役をするほうが入所者の積極性が増し、認知症高齢者であってもロボットに何かを教えようとする姿勢がみえる、という現場の理学療法士の観察が本研究着手のきっかけとなっている。「高齢化が進む一方でケアーの人手が不足するという我が国のライフケアー分野における喫緊の課題を人に優しい方法で解決する」ことを究極の目的として本研究を推進した。具体的な実績は以下の通りである。 ①初年度であることから施設における活動の基本を固める事に主眼をおいた。 ②海外研究協力者が活動拠点をEinthofenからHagueに移したため、これに対応した準備を進めた。具体的には、活動施設としてVitalisグループのVonderhofに代わりHague近郊の施設を探索中であり、Habion介護グループの施設が有力候補となった。 ③ICCORR2017に出席して動向調査を行った。高齢化率・高齢者数ともに顕著な中国は、現状では物理的サポートが中心であるが、メンタルなサポートに注目する本研究の分野においても対等の兆しがうかがわれた。 ④本研究で用いるエージェントロボットをロンドンのホテルと所沢ロイヤル病院に置き、双方向通信状態におけるロボットの動作と画像・音声の遅延について評価した。その結果、音声の帰還による音質の劣化が課題として抽出された。 ⑤研究機材についてはこれまでの研究資産を利用することを原則とし、不具合を生じている機材について施設に持ち込めるように修理・整備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インフルエンザの流行のため、国内拠点としている特養施設での活動回数が当初予定より少なくなったが、本研究の目的から乖離することなく計画の遅延は最小限に留めた。ネットワーク接続がよりフレキシブルとなった新型AIBOについては年度を跨ぐ形で導入した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に沿って進めつつ、新たな海外研究協力施設を決定すると共に、国内の協力施設も増やす。エージェント型ロボットを用いた実験については、上記協力者と連携しつつ、海外に滞在する家族が入所高齢者と会話するシチュエーションを想定し、実証実験を行う。これらの検証を通して高齢者がロボットに対して感じる意識についての日欧比較も行う。
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Causes of Carryover |
新型AIBOの生産数に限りがあり、発注は2017年度中に行なったが納品は2018年度となった。2017年度は旧型の修理を行い代用した。
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