2018 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者の排泄動作プロセスの実態解明とパフォーマンス能力・臨床症状の関連性
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17K01599
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
齋藤 圭介 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20325913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平上 二九三 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (60278976)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 排泄動作プロセス / パフォーマンス能力 / 行動・心理症状(BPSD) / 知的機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,排泄動作プロセスにおける知見を認知症高齢者ケア全般に広く還元させるため,医療施設の入院標本の調査に引き続き,施設利用者標本での調査を実施することを取組課題とした。 施設利用者として入所施設標本と通所施設標本での検討を計画。当初予定していた介護老人保健施設の入所者においては,身体機能障害の併存者が多く,認知症に関する医学情報の信頼性の問題が危惧された。そのため,信頼性の高い医学情報に裏打ちされた,施設内生活を送る認知症高齢者の疾患特性を反映する標本を基に検討するべく,前年度より開始した医療施設に入院中の認知症高齢者集団を対象にした調査を当該年度も継続し,更なるデータ蓄積を図った。一方,通所施設標本として認知症デイケア・デイサービス施設を利用する認知症高齢者集団の調査を実施。確固たる排泄動作プロセスモデルの構築を目指し,新規利用者を対象にデータ蓄積を継続する予定である。認知症高齢者標本での詳細な統計的検討をデータ蓄積と共に進めていく所存であるが,主として身体障害に起因した問題を呈する回復期病院の脳卒中・整形疾患患者標本での特徴に加え,認知ならびに行為の意思決定に関わるプロセスで自立可否の通過率が低い傾向が示されていた。 なお初年度に調査を実施した回復期病院における脳卒中・整形疾患患者標本を基に,類型化された排泄動作プロセスの特徴,規定要因や予後との関連を検討し,得られた知見を論文化しレフリー誌へ投稿予定にしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
施設内生活を送る認知症高齢者の基礎となる標本を,入所標本から医療施設の入院標本に切り替え検討を行っているが,信頼性の高い医学情報に裏打ちされたより確かな知見が得られるものと考える。通所施設標本での調査も進んでおり,今後も可能な限りデータ蓄積を継続する所存である。 本年度は調査に主眼を置き,認知症高齢者標本での詳細な検討には至らなかったが,初年度の脳卒中・整形疾患患者標本での検討結果を論文化し,レフリー誌への投稿にこぎつけている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在実施中の医療施設入院標本,通所施設標本での調査を継続し,研究期間を通して可能な限り対象数の蓄積を図る。 また研究最終年度として,認知症高齢者標本で排泄動作プロセスの類型化と関連要因の解明,回復期病院の脳卒中・整形疾患患者標本とのデータ比較から疾患特性を検討を進め,認知症高齢者のリハビリテーション・ケアに向け,研究の総括に取り組む所存である。
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Causes of Carryover |
(理由)調査実施に関わる物品費をはじめとする経費が,想定より安価で済んだからである。 (使用計画)令和元年は,医療施設入院標本,通所施設標本での調査継続と,認知症高齢者における排泄動作プロセスの類型化と疾患特性に関する最終的な検討を予定しており,消耗品や研究協力者との打ち合わせと学会出張旅費,通信費,報告書作成,文献書籍代の使用を計画している。次年度使用額は,調査関連費用と文献書籍代に充てる予定としている。
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Remarks |
researchmap https://researchmap.jp/read0210991/
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Research Products
(2 results)