2017 Fiscal Year Research-status Report
在宅療養高齢者に対する骨格筋電気刺激トレーニングの効果を引き出す新たな手法の開発
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17K01600
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
柳澤 幸夫 徳島文理大学, 保健福祉学部, 准教授 (60747632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 善美 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 教授 (90411884)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 電気刺激 / 刺激肢位 / 下肢姿勢保持装具 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は年々増加している在宅療養高齢者の中で問題となっている加齢性筋肉減少症に伴う四肢機能の低下、活動性の低下、また介護量増加による要介護度進行を抑制することを目的としている。ベルト式電極を用いた電気刺激トレーニングにおけるこれまでの方法とは異なる効果的な刺激方法を開発し、その刺激方法を実施することで在宅高齢者の筋肉量減少を抑制、さらには増加させる可能性を検証する。 平成29年度はEMSトレーニングにおいて、より高い電気刺激出力が得られる最適な刺激肢位を検討し、さらに電気刺激に最適な肢位を保持するための下肢姿勢保持補助具を作成し、その効果を検証することとした。 研究計画の初年度にあたる平成29年度では、健常者12名を対象とし、刺激肢位は通常のbed上臥位とtilt table傾斜角80度で足関節背屈10度に設定した肢位の2肢位とした。結果、安静時乳酸濃度は有意差を認めず、電気刺激5分後ではbed上臥位と比較し、tilt tableで有意な増加を認めた。刺激設定した実行電流の大腿部および下腿部数値もともにtilt tableで有意な増加を認めた。本研究の結果、bed上での電気刺激に比べ、tilt tableでの実効電流がより高値に設定が可能であった。大腿部では6.5%、下腿部では41.3%の増加であった。また、乳酸濃度においてもtilt tableが有意に高値を示し、より筋収縮への負荷が強いことが考えられた。 また、さらに平成29年度内には電気刺激に最適な肢位を保持するための下肢姿勢保持補助具を作成することを目標にしていたが、装具の完成がやや遅延している。平成30年度内には下肢装具の効果検証を終え、在宅療養高齢者に対する下肢姿勢保持用補助具を用いたEMSトレーニングの効果検証に取り組むように実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度内には電気刺激に最適な肢位を保持するための下肢姿勢保持補助具を作成することを目標にしていたが、最適な装具のデザイン修正および採型を繰り返し実施しており、装具の完成がやや遅延しているため、下肢姿勢保持装具の効果検証が不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度内には電気刺激の際に使用する下肢姿勢保持装具の効果検証を終え、その後に在宅療養高齢者に対する下肢姿勢保持用補助具を用いたEMSトレーニングの効果検証に取り組めるように実施する。
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Causes of Carryover |
下肢姿勢保持装具に使用する予算を計上していたが、装具が未完成のため残額が生じた。残予算は平成30年度に使用する。
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