2022 Fiscal Year Research-status Report
在宅療養高齢者に対する骨格筋電気刺激トレーニングの効果を引き出す新たな手法の開発
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17K01600
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
柳澤 幸夫 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (60747632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 善美 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 教授 (90411884)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 下肢筋 / 電気刺激 / 栄養補助 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は電気刺激に栄養補助併用の効果を検証した。対象は通所サービス事業所を利用中の高齢者に、下肢筋に電気刺激を実施し、栄養補助併用する群8名(栄養補助あり群)と栄養補助がない群(栄養補助なし群)8名との2群とした。期間は3カ月間とし、週2回実施した。電気刺激機器はG-TES(ホーマーイオン社製)を使用した。栄養補助はリハたいむゼリー(クリニコ社製)を使用した。測定項目は体組成計によりBMI、除脂肪量、体脂肪率、両下肢筋肉量、SMI、Phase Angleを算出し、HDDにて下肢伸展筋力体重比、超音波画像診断装置にて大腿部の大腿直筋と中間広筋の画像を取得し、Image Jにて筋厚、筋輝度を算出した。動作能力はSS5を使用した。統計解析は体組成および他の測定項目について時期と栄養補助有無の群を2要因として、分割プロット分散分析を実施した。有意差判定の基準は5%未満とした。結果、栄養補助群では1名と栄養補助なし群は2名が感染症にて除外対象となり、栄養補助あり群7名と栄養補助なし群6名で実施した。BMI、除脂肪量、体脂肪率、両下肢筋肉量、SMIは有意な交互作用および主効果は認めなかった。Phase Angleは交互作用を認め、栄養補助あり群の介入前後で有意差を認めた。下肢伸展筋力体重比とSS5ではSS5のみ交互作用を認め、共に主効果を認めた。両群の介入前後では有意差を認めた。また、大腿直筋と中間広筋の筋厚、筋輝度では、中間広筋のみ交互作用を認め、すべてに主効果を認めた。両群の介入前後では、すべてに有意差を認めた。3カ月後の評価において、両群ともに下肢筋力や大腿部の筋厚や筋輝度の改善により、立ち上がり動作能力が向上し、電気刺激の効果が認められた。さらに、栄養補助あり群は、除脂肪量や下肢筋肉量、SMIは変化を認めなかったものの、Phase Angleが有意な増加を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
電気刺激における最適な肢位の決定を2017年度で検証を終える予定であったが、下肢装具作成の試行錯誤で遅延した。2018年度で最適な刺激体位が決定し、2019年度では足関節角度における刺激強度への影響を明らかにできたことから、身体の体位に加えて足関節角度の最適な刺激肢位を決定できた。2020年度に実施予定であった在宅高齢者への介入研究は、新型コロナウイルスの影響にて実験を中断していたが、2021年度内に再開することができ、現在進行中である。2022年度には2021年度に実施した実験に栄養サポートを併用する群を加えて検証を実施した。そこでは期間が3カ月との短期であったことから、現在6ヶ月での長期効果を検証中である。
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Strategy for Future Research Activity |
在宅高齢者への介入研究を2021年に再開し、新型コロナウイルス対策を講じながら、実施中である。2023年度内で検証を終える予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響にて実験施設に出入りができず、実験が中止されため、実験計画が遅延しており、次年度使用額が生じた。現在、栄養補助の効果判定を行う目的で2023年度もサプリメント購入を予定している。
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