2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢者・視覚障害者(ロービジョン)のためのダイナミック・サインの研究
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17K01609
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 納奈 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (80392588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 洋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (20358386)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ロービジョン / ダイナミックサイン / 視認性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は下記のプロジェクションされた視覚表示物のうち、静止画像の視認性についてロービジョン被験者を対象に実験を行った。実験1では、静止画による刺激の複雑さとコントラストの関係を検討する実験を行った。提示刺激: 線, 数字・図形, 日本語単語, 英語単語, ピクトサイン, コントラスト: 7段階の条件に対し、ロービジョン20名の正答率及び見やすさの5段階評価を記録した。実験2では、動画による提示速度・複雑さ・コントラストの関係を検討する実験を行った。提示刺激: 線, 数字・図形, 日本語単語, 英語単語, ピクトサイン,コントラスト: 3段階, 移動速さ:5段階の条件に対し、ロービジョン3名の正答率及び見やすさの5段階評価を記録した。 1の静止画実験により、ロービジョンが見やすいと思うコントラストの範囲は、刺激のタイプによって異なることが明らかとなった。さらに刺激の種類によっては、コントラストが上がるほど見やすさの主観評価は向上するが、正答率の向上にはつながらない場合があることも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクションされた視覚表示物に対し、ロービジョンが見やすいと感じるコントラストが明らかとなった。また見やすいという主観評価と正答率との関係が刺激の複雑さによって変化することも明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は引き続き実験の被験者を増やすとともに見やすさの判断に大きく影響する視覚的要素の実験も行う。
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Causes of Carryover |
ロービジョン被験者は遠方な方が多く日程調整が困難なことと、本実験実施は今年度初めてなこともあり、疲れのための休憩や回答方法の確認のための時間を十分確保するため、実験を分散させて行うことにしたため。
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