2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の身体・知的・社会活動参加による脳萎縮および認知症発症に関する縦断疫学研究
Project/Area Number |
17K01611
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
李 相侖 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 室長 (90466194)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢者の身体、知的、社会活動 / 脳萎縮 / 活動量計 / 日常生活活動 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非薬物的な認知症予防方法として、地域密着型の戸外活動を用い、客観的に測定した活動状況と脳萎縮、認知症発症との関連を検討することで、認知症予防に有効であるライフスタイル提案を目的とする。当研究部では、2015年度に60歳以上を対象とした高齢者機能健診を実施した。参加者で同意が得られた人には活動量計を配布してセルフモニタリングを行い、MRI撮影を行った。そこで、本研究では、対象者の活動量計の使用状況から縦断的データを構築し、活動状況を把握する。また、同意が得られた高齢者に対してMRI撮影を縦断的に行い、地域における日常活動と脳萎縮との関連を明らかにする。 健診参加者4,167名のうち、ベースラインのMRI受診者は1,220名であった。活動量計のデータは先行研究を用い、装着期間と時間によりベースラインデータを構築した。基準に達した使用者はベースラインデータあり群、そうではない使用者はベースラインデータなし群とし、データ欠損(1.8%)は除外した。その結果、MRIか活動量計のいずれかで有効なベースラインデータが得られた人は4094名であった。MRI受診者で活動量計のベースラインデータあり群は22.0%であった。MRI受診者で活動量計のベースラインデータなし群は7.8%、MRI非受診者で活動量計ベースラインデータあり群は42.3%、MRIと活動量計の両方ともない人は27.9%であった。活動量計のベースラインデータあり群において、MRI受診有無で日常歩数と中強度身体活動時間を比較した。その結果、歩数の場合、MRI受診者で6668.5歩に対し、MRI非受診者では6313.3歩で有意な差がみられた(p=0.005)。中強度身体活動時間の場合、MRI受診者で33.1分に対し、MRI非受診者では31.0分であり(p=0.007)、MRI受診者が非受診者より日常身体活動が高い可能性が示された。詳細な結果については学会等で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
活動量計のデータ構築においては順調に進めている。MRI検査においては予定より後ろ倒しにし、測定期間を延ばすことで対象者の参加を促す。認知症発症データにおいても順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
構築されたデータセットをもとに学会準備を進める。また、MRIの追跡撮影と活動量計のデータ構築、追跡を引き続き進める。
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Causes of Carryover |
MRI追跡調査において、より多くの対象者の参加を促すため時期を変更した。主に対象者のMRI追跡および活動量計の追跡等に助成金を使用する。
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Research Products
(6 results)