2017 Fiscal Year Research-status Report
体温と神経・筋機能の日内変動におけるピーク時刻後退に関する研究
Project/Area Number |
17K01623
|
Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
山口 英峰 吉備国際大学, 社会科学部, 教授 (30388996)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 皓全 吉備国際大学, 社会科学部, 講師 (20641327)
関 和俊 流通科学大学, 人間社会学部, 准教授 (30552210)
小野寺 昇 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50160924)
西村 一樹 広島工業大学, 環境学部, 准教授 (50550026)
村田 めぐみ 吉備国際大学, 保健福祉研究所, 準研究員 (40804969)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 日内変動 / 体温 / 筋力 / 脊髄の興奮性 / 個人差 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体は,約24時間を1周期とする概日リズムを有する.例えば,昼間は交感神経が優位に働き, 反対に夜間は副交感神経が優位に働く.これまで交感神経系が優位で,体温が上昇する14時から18時の時間帯は運動パフォーマンスが高いことが報告されている.近年,体温のピーク時刻が従来よりも後退していることが報告された.体温と筋力の日内変動は連動していると考えられていることから,体温のピーク時刻後退により筋力のピーク時刻も後退すると考える. 本研究は,体温と神経・筋機能の日内変動におけるピーク時刻後退の関連,そのメカニズムを明らかにすることを目的とした.平成29年度は,握力の日内変動におけるピーク時刻後退が体温変化に連動することを明らかにすること(研究1),日内変動における脊髄の興奮性についてクロノタイプ別に検討すること(研究2)を目的とした. 研究1:成人男女247名を対象とした.測定項目は口腔温,握力,脈拍数,血圧,身体活動量とした.測定時刻は,8時から24時まで2時間毎とした.クロノタイプは質問紙を用いて評価した. 研究2:成人男性1名を対象にプレ実験を実施した.日内変動における脊髄の興奮性をクロノタイプ毎に評価した.脊髄の興奮性は,H 反射および F 波を指標とした.測定時刻は,8時から4時間ごととした. 本研究では,研究1の結果から,①口腔温は従来の報告と比較して後退していること,②握力においても従来の報告と比較して後退しているが明らかになった.このことは,握力の日内変動におけるピーク時刻後退が体温変化に連動している可能性を示唆している.研究2に関しては対象者を増やして,平成30年度に引き続き検討する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1に関しては,平成29年度に実施を予定した課題について概ね遂行できたものと考える. 研究2に関しては,やや遅れている.プレ実験は実施済みであるが,本実験に着手できていない.要因として,設定した実験期間においてインフルエンザが流行し,実験予定者の大半が罹患してしまったことである.今後は,実験期間を変更し,対策したいと考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,研究1に関しては,平成29年度の実験方法と同様の手法を用いて実施予定である.対象者を増やし,データを蓄積して検討予定である.研究2に関しては,平成29年度と同様の方法で対象者を増やして検討する予定である. 得られた研究成果は,国内学会および国際学会で公表し,評価をうける.原著論文として,学術雑誌に投稿する.ホームページに本研究結果を公表し,本研究の知見普及に努める.
|
Causes of Carryover |
研究予定していた「研究2」において,対象者ならびにスタッフがインフルエンザに罹患したことにより,実験遂行が困難となり,予定していた謝金が使用されなかったことから,次年度使用額が生じた.平成30年度の謝金として使用予定である.
|
Research Products
(4 results)