2018 Fiscal Year Research-status Report
Examining the error of game performance for learner
Project/Area Number |
17K01624
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
吉野 聡 茨城大学, 教育学部, 准教授 (10334004)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | content map / common content knowkedge / rush model |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の2年目にあたる2018年度は、アメリカオハイオ州立大学に所属されているWard博士に師事しつつ、教員養成並びに現職教諭を対象とした指導内容の理解状況を把握するテスト開発の研究を中心に行った。具体的には、彼らの研究グループと共にバレーボールやサッカーのテスト問題(日本版)を作成した。 本研究は、教員養成系の保健体育科教員を目指す学生や現職の保健体育教諭を対象に、両スポーツ(バレーボールとサッカー)の一般的知識(common content knowledge)の理解状況を推し量るテストで、種目毎のルール・マナー・エティケットに関する問題10問、技術に関する問題10問、並びに戦術に関する問題10問を作成した。 作成した問題(30問)は、スポーツ種目の専門家(クラブチームのコーチ等)、保健体育科教師教育に携わる大学の教員、中等教育に携わる保健体育科の教員、日本語教師等の専門家に内容的妥当性について検討してもらった後に、まずは保健体育科教師を目指す学生に予備調査を実施した。概ね良好な結果が得られたことから、若干の問題文の表現等を修正し、同様の学生を対象に本調査(ウェブ調査)を実施した。 収集したデータはラッシュモデルを実施し、統計解析を行った。分析した結果、バレーボールについては全体的にすべての項目において良好な結果が得られる一方、サッカーにおいてはいくつかの問題において、競技レベルの差をうまく表現できない結果が得られており課題が残された。 本研究においてすでに良好な結果が得られているバレーボールについては、今後体育学関連の学術研究誌に投稿予定で、またサッカーについては問題を再検討しより良質な問題を作成する予定である。また、作成したテストを活用し、今後は大学生の教員養成の成果や現職教諭の研修状況に関する研究を推し進めていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績において述べたとおり、2018年度は保健体育科における教員養成系の学生並びに現職教諭を対象としたバレーボールとサッカーの一般的指導内容(common content knowledge)の理解状況を推し量るテスト問題を作成することができた。本研究課題との関連でいえば概ね我が国において位置づけられている指導内容(学習内容)の意義や有用性に関する研究を前進させ、より具体的な視点からの指導内容を明確に捉えることができた。加えてその理解状況をさらに明確に推し量るテスト問題を作成できたと考えている。 一般的指導内容知識(common content knowledge)の他、2018年度は指導力により一層関係が深いとされている専門的指導内容知識(specialized content knowledge)の研究にも着手しており、今後大学の教員養成で位置づけるべき指導内容や現職の教員研修で取り扱うべき内容などの基本的な知識についても研修を深めることができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり、バレーボールの一般指導内容知識(common content knowledge)とする教員養成系の学生や現職教諭対象のテスト問題を作成した。また今後保健体育科の教員として必要とされる専門指導内容知識(specialized content knowledge)テスト問題を作成する予定である。 これらのテストが作成されれば、①教員養成系の学生や現職教員の理解状況及びそれらに影響を及ぼす要因に関する研究、②大学の授業や教員研修における効果的なプログラムの開発などを活発に推し進めることができる。 特に今年度は①の理解状況やそれらに関連する要因を検討するとともに、効果的な教員研修プログラムの開発に着手したいと考えている。
|
Causes of Carryover |
昨年度は大学のサバティカル制度を利用できることが決まった為、アメリカオハイオ州立大学で研修することができた。そのため、当初予定していた国内外の学会参加を取りやめたり、物品などの購入も行うことがなかった。したがって、予定していた金額を執行せず20万円が未使用となった。当該経費は2019年度における物品費に充てる。
|