2017 Fiscal Year Research-status Report
Study on Safety Measure and Cause of the Accidents and Injuries in Nature Experience Activities.
Project/Area Number |
17K01639
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Research Institution | Hokusho University |
Principal Investigator |
青木 康太朗 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (60593457)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 傷病 / 事故 / 自然体験活動 / 青少年教育施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、自然体験活動の事故や傷病に係る国内外の先行研究や調査、文献をレビューするとともに、それらの情報を基に調査票を作成し、試行調査を実施した。 試行調査は、全国の国立青少年教育施設を対象に、平成30年1月24日~2月23日の約1ヶ月間実施した。調査対象とした傷病の条件は、研修期間中に発生した傷病もしくは活動等によって既往症が悪化した傷病のうち、①保健室や事務室で対応した傷病、②病院を受診した傷病、③活動現場等で施設職員が手当てした傷病のいずれかの状況に該当した傷病とした。調査内容は、①傷病者の情報、②傷病が発生した状況(日時、場所、活動等)、③病気(症状、時期)又はけが(症状、部位、程度、状況)、④傷病の要因(本人、指導・引率者、装備等、環境)とした。 試行調査の結果、調査期間に発生した傷病の件数は173件(けが:33件、病気:140件)であった。けがが発生した要因をみると、参加者の「不慣れ」(25.0%)が最も高い割合を占めており、次いで参加者の「失敗」(13.5%)、「不注意」(11.5%)、指導者の「注意不足」(11.5%)となっていた。病気の発生要因では、参加者の「疲労」(36.0%)が最も高い割合を占めており、次いで参加者の「不安・心配・緊張」(13.8%)、「体力不足」(10.6%)となっていた。試行調査の結果、けがの発生要因の内訳をみると、参加者に起因する要因が6割強、指導者に起因する要因が2割弱になることが分かった。一方、病気の発生要因では、参加者に起因する要因が7割強、病原体など環境に起因する要因が2割弱になることが分かった。 試行調査の結果を踏まえ、調査票や調査方法の不備の有無を確認、修正し、平成30年4月1日より1年間、全国の国立青少年教育施設を対象に本調査を実施することとなった。今後は、試行調査の結果を基に分析方法についても検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画は、自然体験活動における事故や傷病、ヒヤリハットの試行調査を実施し、調査票・分析方法等の精緻化を図ることとしていた。このことから、今年度はほぼ計画通りに研究を進めることができたと考えている。なお、ヒヤリハットについては試行調査を実施していないが、調査票は先行研究等を基に作成しており、国立青少年教育施設で行われる平成30年度の夏季及び冬季の教育事業で調査を実施する予定としている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、全国の国立青少年教育施設(27施設)を対象に自然体験活動の傷病や事故事例に関する調査を実施(平成30年4月~平成31年3月末)するとともに、夏季及び冬季の教育事業でヒヤリハットの調査を実施する予定である。 平成31年度は、前年度に実施した調査結果を基に、自然体験活動の傷病や事故のリスク評価分析や事故発生の要因分析を行い、事故や傷病が起きる原因やメカニズムを検証し、自然体験活動の安全対策や安全教育における基本的な指針の策定や新たなトレーニング教材開発の足がかりとする。
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Causes of Carryover |
(理由) 購入予定の統計ソフトの購入が遅れたため。 (使用計画) 統計ソフトの購入として支出予定
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