2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on Safety Measure and Cause of the Accidents and Injuries in Nature Experience Activities.
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17K01639
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
青木 康太朗 國學院大學, 人間開発学部, 准教授 (60593457)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 傷病 / 事故 / 自然体験活動 / 青少年教育施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、国立青少年教育施設を対象にした傷病調査及びヒヤリハット調査、過去2年間のデータを用いた危険度の高い活動の分析を行った。 傷病調査については、過去2年間と同様に、国立青少年教育施設を対象に年間の傷病情報を収集するとともに、前年度の調査データの集計・分析を行い、その結果を報告書に取りまとめて公表した。なお、調査結果は、国立青少年教育振興機構が主催する「全国青少年教育施設 所長会議・施設研究集会」でも発表し、全国の青少年教育施設の管理者に周知を図った。 昨年度実施できなかったヒヤリハット調査については、国立青少年教育施設(7施設)に協力してもらい、利用者を対象に実施(3か月)した。その結果、コロナ禍で利用者数が少ないなか、31件のヒヤリハット情報が集まり、それらを大きく分けると、ヒヤリハットは、①施設・設備の構造、②腐食・劣化、③自然環境、④ヒューマンエラーに起因する危険に分類されることが分かった。 危険度の高い活動の分析については、過去2年間のデータを用いて負傷の発生件数が多い活動の中から危険度の高い活動を着目し、その現況や安全対策について検討を行った。その結果、スキー・スノーボード、沢登り・川遊び、登山・ハイキングといった野外活動や、起床・就寝、移動中、自由時間といった生活行動は、他の活動に比べ、軽傷以上のけがになることが多く、負傷した際は帰宅するケースが多くなる傾向があることが分かった。そこで、各活動の負傷した状況を基に、それぞれ安全対策の在り方について指摘した。この研究結果の詳細は、キャンプ研究第24巻(日本キャンプ協会発行)に掲載されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で利用者数が減少するなか、今年度も引き続き全国の国立青少年教育施設を対象に年間を通じて傷病調査等を実施できた。また、昨年度実施できなかったヒヤリハット調査も実施することができ、事故やけがにつながる潜在的な危険の要因について手がかりを得ることができた。さらに、過去2年間のデータを用いて危険度の高い活動の分析を行い、今後の安全対策の在り方について提案することができたことから、当初の予定通り一定の成果を得ることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、引き続き全国の国立青少年教育施設(27施設)を対象に自然体験活動の傷病や事故事例に関する調査を実施(令和3年4月~令和4年3月末)するとともに、過去3年間のデータを使って、リスク評価分析や事故発生の要因分析を行い、事故や傷病が起きる原因やメカニズムを解明するとともに、自然体験活動の安全対策や安全教育における基本的な指針の策定や新たなトレーニング教材開発の足がかりにしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行により、予定していた現地調査や学会発表・情報収集ができず、予定していた予算の執行には至らなかったため。
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Research Products
(3 results)