2019 Fiscal Year Research-status Report
海洋スポーツの長期的な継続がライフスタイルと幸福感に与える影響
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17K01642
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松本 秀夫 東海大学, 体育学部, 教授 (40256178)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 海洋スポーツ / 幸福感 / アウトリガーカヌー / ライフスタイル / 半構造化インタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、海洋スポーツの継続的な実施に伴うレジャー関与の度合いがライフスタイル及び幸福感に与える影響に関して、様々な海洋スポーツ種目を専門的に実施する愛好者と複数のスポーツを実施している複合型の特徴を比較検討することを目的としている。 平成31年度は、①平成30年度に行った愛好者のインタビュー調査の分析結果を、野外教育学会において発表し現在論文執筆をしている。②アウトリガーカヌー愛好者の追加インタビューの調査結果を日本体育学会において発表を行った。また、3月にも追加インタビュー調査を行い、全てのデータを統合し論文の執筆を行っている。③複合型愛好者でバックカントリースキーの関係者インタビュー調査と参与観察を計画した。2月の現地調査(新潟県妙高市:妙高高原)は実施できたが、3月の調査(北海道倶知安町:ニセコ)がコロナウィルスによる北海道の緊急事態宣言の影響で中止となった。このデータを7月の野外教育学会において発表をする予定であったが11月に延期が決定している。④レジャー関与とライフスタイル尺度は、夏の実施直前に因子の妥当性を向上させる必要が生じ、量的調査の実施がさらに遅れたことから本年度に実施する。 このように質的・量的調査の実施と分析、学会発表、論文執筆を平行して行っている。その中で、本年度の量的調査においては、新型コロナウィルスの影響を考慮した分析を含める必要性があり、一部質問紙の修正を加えている。令和2年3月中旬から、海・山におけるアウトドアスポーツ愛好者および事業者は自粛を与儀なくされている。今後の再開にむけた動向と、自粛中の状況、新たなライフスタイルが叫ばれるなかで、アウトドアをフィールドとしたレジャーの関与とライフスタイルの関りを検討する必要が急務であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は、パドル系マリンスポーツであるアウトリガーカヌー愛好者とサバニ(沖縄の古式漁船)のレースに参加する愛好者を対象として、仕事と居住地、レジャー関与に関して順調に半構造化インタビュー調査および参与観察を実施することができ、学術雑誌に論文を投稿する段階までにこぎつけている。しかし、レジャー関与とライフスタイル尺度による量的調査は、実施の段階で想定した因子構造に難点が認められ妥当性を向上させ検討を加えたことから実施することが困難であった。本年度、期間を延長したことから、早期に実施をするが、新型コロナウィルスの影響を加味した内容に修正を行っている。また、パラオ共和国でのダイビングガイドを対象とした調査は、計画の実施が校務の都合および新型コロナウィルスの影響等含め困難であり実施を断念した。 複合型として海での活動を通年で行い、冬期にはバックカントリーでスキーやスノーボード活動をする愛好者に対する愛好者のインタビュー調査を実施した。しかし、現地での参与観察は、新潟県妙高高原での調査は実施したが、新型コロナウィルスによる北海道の緊急事態宣言のために、北海道ニセコでの調査を急遽中止しなければならなかった。これについては、電話でのインタビュー調査に切り替えて継続的に実施をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年は、前述のように遅れが継続していることから、レジャー関与とライフスタイル尺度による量的調査を実施する。また、すでにエントリーしている9月の横浜スポーツ学術会議と10月に米国オーランドで開催される国際応用スポーツ心理学会議での発表と学会誌への論文投稿を行う。しかし、新型コロナウイルスの影響で国内学会や国際会議の開催方法の変更が検討されていることもあり、どのように発表が実施できるかは定かではない。すでにオンライン開催を決定する学会も多い。 また、新型コロナウィルスによる自粛などの影響が、海・山をフィールドにするアウトドアスポーツ愛好者や事業者に与える影響は非常に大きい。ガイドや施設運営で生計をたてる事業者にとって、自粛による収入減少が大きな問題となり、従業員の解雇や施設の閉鎖なども発生している。このような状況は、レジャー関与がライフスタイルと幸福感に与える影響をテーマとする本課題の一部であり、国際学会や国内学会の開催方法変更による旅費の支出が抑えられることから、本年度は、この新型コロナウィルスの影響によるアウトドアスポーツ業界の状況や、愛好者、事業者に与えた影響の現状についてオンライン調査を追加実施し、新たなライフスタイルにおけるアウトドアスポーツ活動の在り方について貢献できればと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、研究計画の遅れから国際会議での発表ができなかったことと、複合型のアウトドアスポーツ愛好者に関する現地調査と参与観察等が新型コロナウィルスの影響から急遽中止になったこと、レジャー関与とライフスタイル尺度による量的調査が実施できなかったことがあげられる。また、今年度、2つの国際会議と複数の国内学会に発表を予定してるが、すでに開催方法が新型コロナウィルスの影響から変更が決定された学会もあり、旅費の支出が少なくなることが予想されている。 研究計画に記述したが、新型コロナウィルスの海・山をフィールドにするアウトドアスポーツ愛好者・事業者に与えている影響は甚大であり、新たなライフスタイルが叫ばれる中で、アウトドアスポーツのレジャー関与とライフスタイル・幸福感の関係を明らかにする本課題において、新型コロナウィルスの影響を無視することはできず、現状の実態調査等を実施する。 本年度の使用計画は、国内外発表費用、論文投稿費用、オンライン調査および調査旅費費用に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)