2017 Fiscal Year Research-status Report
歩きスマホ防止を目指した歩行時の頭部角度と心理状態に関する研究
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17K01646
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Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
鈴木 公啓 東京未来大学, こども心理学部, 講師 (60569903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 裕次郎 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 助教 (40623921)
真家 英俊 東京未来大学, こども心理学部, 講師 (70759224)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 姿勢 / 身体化認知 / 感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,身体化の機序の解明と共に,近年問題になっている歩行時の携帯情報端末の操作の問題について,その危険性や社会的問題という観点からではなく心理面への影響という観点から明らかにすることを目的とした。 平成29年度は,頭の角度(上・下)と焦点距離(短・長)の2つの要因による感情変化について明らかにすることを目的とした。2018年3月に大学生20名を対象に実施した。大道具として,1m×1mの枠で長さが4mの筒状の物体を作成した。枠に対して布状のものを巻き,視界に他の刺激が入らないようにした。筒状の物体は,施設内の廊下に設置し,上から覗き込むことも下から見上げることも可能とした。実験対象者には,その筒の中に呈示した刺激をカウントするように教示した。刺激は,布に貼った赤,青,黄色のシールであり,その中で赤と青のシールの個数(それぞれ約40個)をカウントするよう求め,後にその数を報告させた。上向きに刺激をカウントする条件と下向きにカントする条件,また,筒内に呈示する刺激を50cmと4mに呈示したうえでカウントする条件の全部で4条件あり,それらは被験者内要因として設定した。各条件に参加した後に,唾液アミラーゼの測定と感情を測定する質問紙への回答を求めた。実施時間は30~40分であった。 データは現在分析中であり,早い段階で分析を終える予定である。 また,今後の研究計画案の検討も十分におこなわれ,平成30年度の実験の準備が進められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定どおりに当該年度の実験を終了することができた。また,その実験により,今後の検討課題が複数発見され,そして,それを解決するための新たな研究計画が模索され,今後の新たな研究計画の構築も済み,準備がはじまった。このことは,研究課題全体における発展に寄与するものであり,計画をうわまわる成果が見込まれると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,空間の使い方と実験課題について調整したうえで実験をおこなう予定である。 これまで我々がおこなった実験では,頭の角度が比較的小さめであったことから,それを極端に設定して実験を行う予定である。その際,焦点距離を統制するために,大がかりな大道具を準備する予定である。また,これまでの実験課題は,比較的負担が大きく,また,課題に認知リソースが割り振られてしまうという特徴があった。今後は,先行研究のように,自分の内的状態により認知リソースを割り振るような課題とする予定である。 これらを踏まえて,まずは,立位時の頭の上下の傾きが心理・生理状態に及ぼす影響について検討する予定である。さらに,その際の空間の広さについて,複数の状況を準備し,実験を重ねる予定である。
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Causes of Carryover |
実験環境構築のための資材購入において,施設の状況などの観点により,作成する物体のサイズ変更などをおこなったため,その分の費用において差額が生じた。また,実験刺激についても,実験環境を考慮し変更したために,その部分においても差額が生じた。次年度においては,差額について適切かつ柔軟に使用する予定である。
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