2017 Fiscal Year Research-status Report
大学スポーツの傷害分析とパフォーマンステストを用いた予防プログラムの開発
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17K01648
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
井口 順太 京都学園大学, 健康医療学部, 講師 (70727479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 義彦 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20209042)
北條 達也 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (40298740)
葛原 憲治 愛知東邦大学, 人間健康学部, 教授 (70225150)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | パフォーマンステスト / アスリート / 競技特異性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度の主な研究実績として、以下のものが挙げられる。 1)Journal of Strength and Conditioning Researchにボート選手のシーズン中におけるパフォーマンスや身体組成、摂取・消費カロリーの推移を分析した論文が受理された。(タイトル:SEASONAL CHANGES IN ANTHROPOMETRIC, PHYSIOLOGICAL, NUTRITIONAL, AND PERFORMANCE FACTORS IN COLLEGIATE ROWERS, 2018 Mar 6. doi: 10.1519/JSC.0000000000002521. [Epub ahead of print])これば研究の目的の中に記載したパフォーマンステストの結果をもとにした疫学的調査に関連する研究の一環として行われた。主な発見として、水上の高強度のトレーニングは2000mエルゴメータタイムの改善に貢献しうること。また炭水化物とタンパク質の高摂取もトレーニング効果を向上させる一因になっている可能性が示された。 2)京都学園大学男子サッカー部と女子バスケットボール選手を対象にしたパフォーマンステストを行った。これは本研究目的にあるパフォーマンステストの結果と外傷との関連を調査するために実施した。男子サッカー部は、身体組成(身長、体重、体脂肪)、パフォーマンステストとしては、垂直跳び、繰り返しの20mスプリントテスト、Yo-Yo間欠性テストを実施した。一方女子バスケットボール部は、身体組成(身長、体重、体脂肪)、パフォーマンステストとして20mスプリントテスト、Tテスト、チェストパス、スクワット・ベンチプレス(ともに1回最大挙上量)を測定した。今後これらの結果と外傷と関連性を調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定していたパフォーマンステストの結果とスポーツ関連外傷の検討については、予定通りパフォーマンステストの測定まで終了したところである。今後と該当するスポーツの傷害記録を収集し、関連性を検討する予定である。また外傷のメカニズム分析の一環として実施しているハムストリングの肉離れに関する研究も予定被験者(20名程度)の半数以上が終了している。現在解析も同時進行で行なっているので、遅くても来年の春頃までには論文にする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)今年度は昨年から今年度にかけて収集したパフォーマンステストの結果と外傷との関連に関する研究をCox 比例ハザードモデル(Iguchi et al., 2016)などを用いて実施する予定である。対象となるスポーツはアメリカンフットボールと女子バスケットボール、男子サッカー(これらのチームはすでにパフォーマンステストは実施済み)とし、各所属するトレーナーから外傷に関するデータを報告してもらい、今シーズン後にまとめる予定である。 2)現在同時進行で実施しているのが、ハムストリング肉離れのメカニズムに関する研究である。これは研究計画書に本年度予定していた発生頻度の高いスポーツ関連外傷のメカニズムを分析し、修正可能な内的・外的リスクを抽出するという研究の一環である。ハムストリングの肉離れは、スポーツ現場で頻繁に見られるものであるが、そのメカニズムはまだまだ未解明な部分が多い。ハムストリングは二関節筋であるため、協働筋として股関節伸展動作に関わっている。特に疲労などの影響で大殿筋が機能不全に陥っている場合、ハムストリングは膝屈曲だけでなく、股関節伸展にも大きく関わっている可能性がある(Synergetic dominance; 協働筋が主動筋の役割を果たすこと)。また走行速度が上昇すると、大殿筋の筋活動が増加する. (Kyrolainen et al., 1999)ことも報告されている。そこで今回はハム肉離れと大殿筋の関連性を検証するため、本研究では遅発性筋肉痛(DOMS)によって引き起こされた大殿筋の機能不全および、それに関連したハムストリングのSynergetic dominance(ハムストリング=股関節伸展筋主動筋)に着目し、多角的にハムストリングへの影響を調査する予定である。
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[Journal Article] Seasonal changes in anthropometric, physiological, nutritional, and performance factors in collegiate rowers.2018
Author(s)
Iguchi J, Kuzuhara K, Katai K, Hojo T, Fujisawa Y, Kimura M, Yanagida Y, Yamada Y.
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Journal Title
Journal of Strength and Conditioning Research
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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