2018 Fiscal Year Research-status Report
運動遂行前の情動喚起メッセージ聴取が運動学習に及ぼす影響
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17K01651
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
石倉 忠夫 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90319468)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 運動学習 / 言葉掛け / 情動 / 動機づけ / 運動遂行前 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は実験者から学習者に運動を遂行する前に与える情動喚起メッセージが運動学習に及ぼす影響について検討することを目的としている。 研究実施計画は3年度にまたがって計画した。平成30年度は研究実施計画の2年目にあたり、研究課題Ⅰとして1つの実験、研究課題Ⅱとして2つの実験を実施した。 研究課題Ⅰの実験は運動遂行前の快・不快感情喚起メッセージが感情や生理反応に及ぼす影響について検討することを目的とした。予備実験を実施したところ、快あるいは不快感情喚起メッセージの差異が生理反応に作用しないと予測されたため、本実験を実施することを中止した。 研究課題Ⅱ-1として申請時にはタイミング学習を課題として計画していたが、予備実験および申請者の実験経験から、実験課題を変更した。運動前に指導者から活動者に与えるメッセージは、活動者の運動反応前の注意や反応時間に影響することが予想されたため、本実験では注意研究で多用されているフランカー課題を用いた。そして、課題反応前の注意の指標として脳波を測定し、随伴陰性変動(CNV)を手掛かりに検討した。分析の結果から、運動前の快または不快感情を喚起するメッセージは認知的反応課題のパフォーマンス結果や課題遂行前の注意に影響しないが、感情面ややる気を高めると考察された。 研究課題Ⅱ-2として、本研究申請時には運動遂行前の快・不快感情喚起メッセージがエイミング学習に及ぼす影響について検討することを予定していたが、スタッキングカップ課題に変更することが適切であると判断し、実験を実施した。分析から、研究課題Ⅱ-1と同様の結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究に興味を持つ学生が卒業研究として取り組みたいとの申し出があったたため、実験実施を依頼したことが大きな理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究は予定以上に進行し、計画していた研究課題を終了することができた。来年度は最終年度になるが、今年度実施した研究成果を学会で発表し、学術論文にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が20,480円となり、助成金総額では、ほぼ予定通りの執行状況となった。内訳としては旅費と人件費・謝金が大幅に少なかった。旅費は前年度には大学からの研究助成で支払うことができたことで予定より少額の執行になった。また、人件費・謝金についてはゼミ生が卒論で本研究で計画した実験を実施したため、被験者に支払う謝金が少額で押さえることができた。次年度は本助成によって実施した実験の成果を海外で開催される国際学会にてポスター発表する予定であるため、予定通りの予算執行になる見通しである。
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Research Products
(4 results)