2020 Fiscal Year Research-status Report
必修期の「表現系ダンス」における双方向的で創造的な学びを実現する指導モデルの構築
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17K01657
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
安江 美保 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 准教授 (80580729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 朱音 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (40609301)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 表現系ダンス / 指導案モデル / 熟練・未熟練指導者 / 共通に学ばせたい内容 / 動きの誇張 / 変化とメリハリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,「表現系ダンスの指導案モデルの作成」と「熟練指導者・未熟練指導者の授業実践による指導案モデルの検証」を交互に重ねながら,表現系ダンスの指導内容及び指導方法を探究し,指導の一般化へつなぐことを研究の目的として4年計画で取り組んでいる。3年目の2019年度は,2月末までに未熟練指導者6人全ての授業実践を終えることができた。2年目まで遅れ気味だった研究が、3年目の2019年度末に当初の計画に追いつくことができた。本研究最終年度の2020年度には,未熟練指導者の実践について,授業者の省察,参観者の考察,指導言語のデータ化と整理,児童・生徒の学習カードの記述内容のデータ化等と並行して,本研究における成果と課題を整理しながら,研究報告書の作成,論文作成,学会発表等に取り組む予定だった。ところが,新型コロナ感染症に関わる緊急事態宣言発令,大学での授業のオンライン化,オンライン授業に伴う技術習得のための研修,準備,学生への対応等で,研究に使える時間が激減した。このような状況の中,研究代表者、研究分担者によるオンライン会議を3回,(6月,8月,12月),専門家会議を1回(8月)開催し,可能な限り研究を進めてきた。専門家会議の中で話題となった点として,以下の4点があげられる。研究のまとめに向けて反映させていく。 〇「戦い」「新聞紙」を取り扱った意図が,実践の中で不明確になっているのではないか。 〇指導案の要素が多過ぎる。指導案モデルは最低限やってほしいことにもっと絞るべきではないか。 〇「指導力を上げるための研究」にも「良い授業を誰でもできる研究」にもしていける。 〇この研究の特徴は「やりとり」にある。グループ会議を多く重ねながら研究の可能性をさらに広げていくべき。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1年目の平成29年度は,先行研究の整理と,専門家会議を何度か持ちながら双方向で創造的な学びを実現するための指導案モデルの作成を進めた。2年目の平成30年度は,4名の熟練指導者による指導案モデルの授業検証(小学校3年1クラス,小学校5年1クラス,中学校1年2クラス)を行い,指導案モデルの成果と課題を洗い出した。そして,そこで明確にされた課題を克服するために,専門家チーム会議を持ちながら,3年目の令和元年度に指導案モデルの再構築を進め,その年の10月から令和2年の2月にかけて6名の未熟練指導者の検証授業を行った。 4名の熟練指導者と6名の未熟練指導者の実践においては,岡山県,千葉県,東京都の小学校及び中学校に協力を得た。主に「2人の戦い」を安江が,「新聞紙を使った表現」を山崎が担当して検証授業の観察,収録を実施した。熟練指導者の実践後,令和元年の3月に専門家チーム会議を行い熟練指導者の成果と課題を洗い出した。専門家チームのメンバーで協議することにより,様々な角度から授業を検証することができ,指導案モデルの再構築に向けて大きな力となった。その後,研究代表と研究分担との研究協議を5月,8月,令和2年の2月,3月と重ねながら,指導案モデルの再構築と授業の検証を進め,当初の予定通り令和元年末までに全ての検証授業を終えることができた。 令和2年度は,3年間の研究のまとめを行う予定だったが,新型コロナの影響で大学の授業が急遽オンラインに切り替わったことにより,その準備と学生への対応に追われ,データの分析,考察,研究報告書,論文の作成を予定の5分の1程度しか進めることができなかった。こうした状況の中であったが,8月下旬に専門家会議を開催し,6名の未熟練指導者の実践についての実践報告及び協議を行った。本研究は,1年延長を申請し承認された。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,「表現系ダンスの指導案モデルの作成」と「熟練指導者・未熟練指導者の授業実践による指導案モデルの検証」を交互に重ねながら,表現系ダンスの指導内容及び指導方法を探究し,指導の一般化へつなぐことを研究の目的としている。研究5年目の令和3年度は,報告書1本,論文2本を作成することによって研究のまとめを行う。(1)【研究報告書】必修期の表現系ダンスにおける双方向的で創造的な学びを実現する指導モデルの構築-固有の質感を持った「2人の戦い」と多様な質感を持った「新聞紙を使った表現」の指導案モデルの構築過程及び検証授業から明らかになったこと- (2)【学会発表1】必修期の表現系ダンスにおける双方向的で創造的な学びを実現する指導(3)-熟練・未熟練指導者の実践「2人の戦い」から「これだけは指導したい内容」について再考する- (3)【学会発表2】必修期の表現系ダンスにおける双方向的で創造的な学びを実現する指導(4)-熟練・未熟練指導者の実践「新聞紙を使った表現」から「これだけは指導したい内容」について再考する- (4)【論文1】必修期の表現系ダンスにおける双方向的で創造的な学びを実現する指導案モデルの構築(1)-表現系ダンス「2人の戦い」における「これだけは指導したい内容」について- (5)【論文2】必修期の表現系ダンスにおける双方向的で創造的な学びを実現する指導案モデルの構築(2)-表現系ダンス「新聞紙を使った表現」における「これだけは指導したい内容」について-
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Causes of Carryover |
前年度は,研究のまとめを行う予定だったが,新型コロナの影響で大学の授業が急遽オンラインに切り替わったことにより,その準備と学生への対応に追われ,データの分析,考察,研究報告書,論文の作成を予定の5分の1程度しか進めることができなかったため。本研究は,1年延長を申請し承認された。
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