2021 Fiscal Year Research-status Report
必修期の「表現系ダンス」における双方向的で創造的な学びを実現する指導モデルの構築
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17K01657
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
安江 美保 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 准教授 (80580729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 朱音 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (40609301)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 表現系ダンス / 指導モデル / 熟練・未熟練指導者 / 共通に学ばせたい内容 / 動きの誇張 / 変化とメリハリ / 動きの質感 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究実績は,前半,後半の大きく2つにまとめられる。前半は,9月9日に実施された「第71回 日本体育・スポーツ・健康学会」(オンライン)の発表に向けて安江(研究代表者)と山崎(研究分担者)によるオンライン会議4回,研究協力者の村田芳子氏(平成国際大学教授)を含めた3人での専門家チーム会議を1回行った。学会発表の題目は,【「表現系ダンス」における双方向的で創造的な学びを実現する指導(3)-固有の質感の動きを有する題材・テーマ「2人の戦い」の実践から「これだけは指導したい内容」について再考する-】(安江,山崎)と,【「表現系ダンス」における双方向的で創造的な学びを実現する指導(4)-多様な質感の動きを有する題材・テーマ「新聞紙を使った表現」の実践から「これだけは指導したい内容」について再考する-】(山崎,安江)の2題である。「固有の質感の動きを有する」ということの具体や,学ばせたい内容の位置づけ方等についての質問や指摘をいただき,研究内容をさらに深めていくための示唆を得た。 10月からの後半は研究報告書の作成に入り,11月から月に1回のペースで安江,山崎の2人による会議を5回行った。研究報告書にどのような内容を入れていくかが決まってからは分担を決め,毎月どこまで進めるかを明確にして作成していった。お互いに作成した内容をやり取りする中で,本研究で何をどこまで明らかにできるのかを詰めていくことができた。現時点で見えてきたことは以下の点である。 〇固有の質感の動きを有する「2人の戦い」では,全体的に指導内容が分かりやすかった傾向にあったが,指導者によって指導のしやすかったところと難しかったところに違いが見られた。 〇多様な質感の動きを有する「新聞紙を使った表現」では,全体的に指導内容への理解が難しい傾向にあったが,特にどの点の指導が共通して難しかったのかが見えてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1年目の平成29年度は,先行研究の整理と,専門家会議を何度か持ちながら双方向で創造的な学びを実現するための指導案モデルの作成を進めた。2年目の平成30年度は,4名の熟練指導者による指導案モデルの授業検証(小学校3年1クラス,小学校5年1クラス,中学校1年2クラス)を行い,指導案モデルの成果と課題を洗い出した。そして,そこで明確にされた課題を克服するために,専門家チーム会議を持ちながら,3年目の令和元年度に指導案モデルの再構築を進め,その年の10月から令和2年の2月にかけて6名の未熟練指導者の検証授業を行った。 4名の熟練指導者と6名の未熟練指導者の実践においては,岡山県,千葉県,東京都の小学校及び中学校に協力を得た。主に「2人の戦い」を安江が,「新聞紙を使った表現」を山崎が担当して検証授業の観察,収録を実施した。熟練指導者の実践後,令和元年の3月に専門家チーム会議を行い熟練指導者の成果と課題を洗い出した。その後,研究代表と研究分担との研究協議を重ねながら,指導案モデルの再構築と授業の検証を進め,当初の予定通り令和元年度末までに全ての検証授業を終えることができた。 令和2年度は,3年間の研究のまとめを行う予定だったが,新型コロナの影響で大学の授業が急遽オンラインに切り替わったことにより,その準備と学生への対応に追われ,本研究の進捗状況が大幅に遅れた。令和2年度末に1年延長を申請し承認された。 令和3年度は,本研究のまとめを進めながら,9月に「第71回 日本体育・スポーツ・健康学会」(オンライン)にて,口頭発表を2題行った。また,学会発表後は研究報告書の作成に入り,年度末に完成予定だったが,この年度においても新型コロナ感染症の再拡大があり予定通りに進めることが難しく,研究報告書を年度内に完成することができなかった。令和3年度末に再度1年の延長を申請し承認された。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,「表現系ダンスの指導案モデルの作成」と「熟練指導者・未熟練指導者の授業実践による指導案モデルの検証」を交互に重ねながら,表現系ダンスの指導内容及び指導方法を探究し,指導の一般化へつなぐことを研究の目的としている。研究6年目の令和4年度は,報告書を完成させるとともに,研究の成果を論文にまとめて学会誌へ投稿する。また,研究の成果を研究会や実技講習会等の機会に参加者へ伝えていく。 (1)【研究報告書】現在作成中の研究報告書を5月末までに初稿(案)完成,その後,専門家チームのメンバーに送りアドバイスをもらう。6月末に印刷所へ初稿を入稿し,約1ヶ月間校正を重ねて7月末には報告書完成の予定で進める。8月中には,ご協力いただいた関係各所へ礼状とともに郵送する。 (2)【論文1】必修期の表現系ダンスにおける双方向的で創造的な学びを実現する指導案モデルの構築(1)-固有の質感の動きを有する題材・テーマ「2人の戦い」における「これだけは指導したい内容」について- (3)【論文2】必修期の表現系ダンスにおける双方向的で創造的な学びを実現する指導案モデルの構築(2)-多様な質感の動きを有する題材・テーマ「新聞紙を使った表現」における「これだけは指導したい内容」について- (4)【研究会や実技講習会等の機会に参加者へ研究の成果を伝えていく】固有の質感の動きを有する題材・テーマ「2人の戦い」と多様な質感の動きを有する題材・テーマ「新聞紙を使った表現」において,「これだけは指導したい内容」について研究の成果を参加者に伝えるとともに,その内容についてご意見や感想をいただく。
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Causes of Carryover |
2021年度内に研究報告書を作成し,それに必要な額を使用する予定だったが,2022年1月に新型コロナ感染症の再拡大を受け,2021年度末の研究計画の遅れが再度生じて,研究報告書を完成することができなかったため。2021年度末に,再度研究の1年延期を申請し,承認された。
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