2018 Fiscal Year Research-status Report
マリアナ・ヤング女史が明治期に導入したPhysical Cultureの解明
Project/Area Number |
17K01659
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
柿山 哲治 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10255242)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 慈善音楽体操會 / 東洋日の出新聞 / The Nagasaki Press / 鎮西日報 |
Outline of Annual Research Achievements |
マリアナ・ヤング女史が明治35(1902)年に長崎舞鶴座で開催した慈善音樂体操會に関する新史料を長崎歴史文化博物館資料室で発掘し、先行研究では明らかにできなかった当日の収容人数や開催期間を明らかにすることができた。それは、先行研究で掛水(2007)が発掘した新聞広告と同じ紙面に掲載されていた。これまで、慈善音樂体操會の開催を報じる広告は確認されていたが、開催に関わる記事、開催後の記事については発掘されていなかった。先行研究ではマイクロフィルムでしか当時の内容を確認することができなかったが、長崎歴史文化博物館では、平成29(2017)年に鎮西日報と東洋日の出新聞がデジタル化されたため、細部に渡って記事内容を鮮明に確認できたからだと思われた。また、英字新聞のThe Nagasaki Press1902年4月25日および26日付には、Musical & Physical Culture Entertainmentと称され、開催時刻が午後7時、ADMISSION 1 YEN(入場料1円)と提示されており、先行研究で鎮西日報に報じられた午後6時開演、「通券ハ一枚三十銭以上義捐ノ方ニ一枚呈ス」と異なっていた。さらに、明治36(1903)年4月17日~22日に長崎活水女學校で開催されたTHE SOUTH JAPAN WOMAN'S MISSION CONFERENCEの議事録には、慈善音樂体操會で得られた収益金300円は孤児院の食堂の建造に用いられたとヤング女史自身が記していた。いずれにせよ、舞鶴座の収容人数や新聞の報道、ヤング女史の報告書および卒業生の証言から見ても、慈善音樂体操會が盛会に行われ、長崎県を始めとして近隣県の教育界にも衝撃を与えたものと思われた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長崎県立図書館が移転準備のため、郷土資料室の使用が制限され、史料収集が予定出通りできなかった。また、海外調査も校務の関係で日程の確保が難しく、実現できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究進度を早めるため、2020年9月より学内の在外研究に申請し、海外調査予定地に出向き、遅れを取り戻すべく研究時間の確保を図りたい。
|
Causes of Carryover |
長崎県立図書館が移転準備のため休館となり、郷土資料室が使用できなくなったため、調査旅費が消化できなかった。移転後の開館が令和元年10月以降になるため、調査対象を東京および神戸に変更して対応する予定である。
|
Research Products
(2 results)