2021 Fiscal Year Research-status Report
マリアナ・ヤング女史が明治期に導入したPhysical Cultureの解明
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17K01659
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
柿山 哲治 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10255242)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 長崎慈善會 / 慈善音樂燈會 / 慈善技藝會 / 鎮西日報 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍の影響で、予定していた海外、国内での訪問調査が計画通りに実行できなかった。その代わりに、オハイオウェスレアン大学、アレゲニー大学にヤング女史のPhysical Cultureに関する史料の依頼し、オハイオウェスレアン大学からヤング女史に関する書籍やファイルのリスト、アレゲニー大学から在職当時のカタログや校内新聞を入手することができた。 また、ヤング女史が明治35年に長崎市内の舞鶴座で慈善音樂体操會を行い、同様の催しがヤング女史が長崎活水女學校に着任してすぐから行われていたこと、それは、同校のビング女子が慈善音楽會を開催していたことに起因することが示唆されていた。そこで、今年度は、慈善音楽會が、もともと日本で行われていたものか、それともアメリカから宣教師に移入されたものかを調査するために、まず、日本における慈善活動について、長崎の明治期における新聞記事検索を行った。長崎YMCA史において明治24年12月4,5日に慈善音樂幻燈會が催されたとの記述を元に、明治24年12月1日刊行の鎮西日報を検索すると、慈善音楽幻燈會が記事として、広告として震災救血音樂幻燈會の掲載が見られ、実際のこの會が盛況に開催され、2日間の公演では足りず、舞鶴座から皓台寺に場所を借りて12月8日に追加公演を催した記事を発掘することができた。この音樂會には長崎活水女學校生徒や教師も出演していたことが確認された。また、明治27年8月28日、29日には舞鶴座で慈善技藝會も開催されており、両日とも3000人を超える盛況ぶりであったという記事も確認できた。長崎慈善會には長崎活水女學校の創設者であるエリザベス・ラッセル女史も名を連ねており、これらの會が慈善音楽會、ひいては慈善音樂体操會開催に繋がる源流になった可能性が示唆された。今後は、アメリカ人宣教師がアメリカから持ち込んだ可能性について調査する必要がある。、
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍で国内外の訪問調査が計画通り実施できず、学会発表、論文投稿ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナが落ち着き、長崎歴史文化博物館、長崎県立図書館郷土資料センター等が制限なく利用できるようになり、海外渡航も予定通り行えるようになれば、ヤング女史が来日前に在籍、在職したオハイオウェスレアン大学、アレゲニー大学の訪問調査を実施し、慈善音樂体操會なるものがアメリカで行われていたか否か、もし、行われていたら何を目的として、いつ、どこで、どのように行われていたかの真相を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
当初予定していた国内外の訪問調査ができず、成果発表の学会参加もできなかったため。
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