2019 Fiscal Year Annual Research Report
On the Effectiveness of Counseling approaches (narrative approaches) for enhancing athletic performance
| Project/Area Number |
17K01664
|
|---|
| Research Institution | Kokushikan University |
|---|
Principal Investigator |
中込 四郎 国士舘大学, 体育学部, その他 (40113675)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
| Keywords | アスリート / スポーツカウンセリング / 事例 / ナラティブアプローチ / 身体 / 象徴的理解 / パフォーマンス向上・実力発揮 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
アスリートの競技力向上・実力発揮を目的としたカウンセリングアプローチ（ナラティブアプローチ）の有効性ならびにその効果機序を明らかにすることを目的に、本年度は研究期間の最終年であることも踏まえながら以下の課題に取り組んだ。
１）相談事例の分析：次の３事例の分析を中心に行った。①競技意欲の低下ならびに実力発揮への不安を抱えて来談した女性アスリート、②いわゆる「イップス」と括れる男性アスリートの事例、③負傷後のリハビリ過程における競技復帰までの男性アスリートの心理サポート事例。これらの事例の分析より、アスリートの心理サポートにおいて、彼らの内的体験の理解そして共感を促すためには、カウンセリングの過程で語られたパフォーマンス（競技遂行での問題となる動き）や身体（主観的に体験された身体の不調）の象徴的な理解が有効となることが明らかにされた。また、来談の契機となった主訴は、カウンセリングを通してその背景にある心理的課題への取り組みがなされ、主訴の軽減だけでなく、パフォーマンス向上・実力発揮へとつなげていく契機となっていくようであった。このような事例を通して明らかになったことは、スポーツカウンセリングの特徴（独自性）としても位置付けられるようである。
２）関連著書の出版準備：研究代表者が編著者となり、「スポーツパフォーマンス心理臨床学―アスリートの身体から心へ―」（仮題、岩崎学術出版、2020年度出版予定）と題した図書の出版に向けて準備した。アスリートの心理的問題について13章より構成し、各章では関連の相談事例を引用しながら解説される。執筆者はいずれもアスリートの心理臨床に深く関わっているわが国の実践家たちであることから、スポーツカウンセリングの実際、そしてアスリートの競技力向上・実力発揮を目的としたカウンセリングアプローチの有効性についても言及されることになる。
|
Research Products
(6 results)
