2020 Fiscal Year Research-status Report
Traits of Exercise Habit among Health Related Behavior
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17K01669
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高見 和至 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (50236353)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 習慣 / 習慣強度 / 運動 / 喫煙 / パチンコ / 歩行通勤 / 飲酒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「習慣強度の観点から運動習慣を各種健康関連行動と対比,分析することで,運動や他健康関連行動の習慣化を促進するための新たな知見を提示すること」である.そこで,本研究では実際の行動の頻度や継続期間ではなく,心理変数としての「習慣強度」に着目し,共通した心理尺度(運動習慣強度尺度:髙見,2014,自己報告式習慣指標:Verplamken et al.2003)を用いて複数の健康関連行動を調査してきている.これまでに,「運動・スポーツ」「喫煙」「飲酒」「歩行通勤」「パチンコ」の計5種類のデータ収集を完了した. 2020年度は2件の国内学会発表と下記の2本の学会誌投稿を行い,現在査読中である. 1. 日本語版自己報告式習慣指標(SRHI-J)の開発 :The Self-Report Habit Index (Verplamken et al.2003)の日本語版開発を報告した内容で,原著者の許諾を得て質問項目を日本語に翻訳し,4つの習慣的行動のデータから信頼性および妥当性を検証した.その結果,様々な行動の習慣強度を測定する本邦初の質問紙が開発された.本尺度は行動科学領域での習慣研究において援用されることが期待される. 2. 運動習慣の心理的プロセスの探究―運動・喫煙・パチンコ他における習慣強度の構造― :本研究課題「健康関連行動における運動習慣の特殊性:習慣強度の心理的プロセスからの探求」に対応した投稿論文である.運動の習慣強度を測定する2つの質問紙尺度から運動習慣の心理的プロセスを明らかにするとともに,上記SRHI-Jを用いて,喫煙やパチンコなどの行動と比較検討している.その結果,運動習慣の心理的プロセスは固定化行動,否定的感情,自動性,契機動因の4つから構成されており,運動習慣の形成には実践に対する負担の減少と,運動に対する個人的価値の向上が必要であることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度が最終年度であったため,国内外の学会発表と学会誌への投稿,掲載が課題であった.国内学会での発表と学会誌への論文投稿は完了しているが,投稿論文は査読中である.また,国際学会での発表は新型肺炎流行のためできていない. その他,新規調査を計画していたが,新型肺炎流行による生活様式の変化の影響を考慮して保留している.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年次である本年(2021年度)は研究成果の公表に努めることが主体となる.昨年度国内学会での2件の学会発表を行い,国内学会の学会誌に2本投稿し査読中である. 本年度は,投稿中の論文を掲載まで進捗させることと,国際学会での発表を行う.国際学会は,本年9月30日~10月4日,台湾台北市で開催される第15回国際スポーツ心理学会で学会発表を行う. 以上をもって,本研究課題「健康関連行動における運動習慣の特殊性:習慣強度の心理的プロセスからの探求」を完遂させる.
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Causes of Carryover |
新型肺炎流行により研究計画の変更が生じたため,補助事業期間延長承認申請を行い2021年度に持ち越した.
2021年度の使途としては,国際スポーツ心理学会(台北,2021.9/30-10/4)への出張費と,インターネットによる追加調査費用への充当を計画している.
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Research Products
(3 results)