2020 Fiscal Year Research-status Report
Effects of evolutionary mindset on decision making and control strategy of a motor task under pressure
Project/Area Number |
17K01673
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
関矢 寛史 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (40281159)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プレッシャー / マインドセット / フィードフォワード / フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
進化論的マインドセットの教示が心理的プレッシャー下での運動制御方略に及ぼす影響を調べるために前年度に行った実験3に実験参加者24名を追加して実験を行った。実験参加者は利き手による急速照準課題を実験参加者内要因であるプレッシャー条件と非プレッシャー条件で行った。プレッシャー下での心拍数の上昇などの情動反応が進化論的に適応的な反応でありパフォーマンスを向上させる可能性があると伝えたマインドセット教示群と非教示群を比較した。分析は前年度に測定した25名の実験参加者と2020年度に測定した24名を合わせた計49名について行った。 プレッシャー負荷の操作チェックとして用いた平均心拍数と状態不安得点は共にプレッシャー下で有意に上昇し、操作の有効性が確認された。運動制御方略についてフィードフォワード制御の指標として加速度最大値を用いた結果、プレッシャー条件で有意に低い値を示した。また、フィードバック制御の指標として加速度最大値出現時から運動終了時までに要した時間を用いたところプレッシャー条件で有意に高い値を示した。さらにフィードバック制御相における加速度が増加から低下もしくは低下から増加に転換する回数である加速度転換点の個数がプレッシャー下で有意に高い値を示した。どの変数にもマインドセット教示の効果は認められなかった。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け実験参加者の募集が困難となり実験が長期に渡ったため、プレッシャーの影響を受けるフィードフォワード制御とフィードバック制御の指標を今後のさらなる分析で明らかにする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、対面で実施する実験参加者の募集が困難となる中で、約50名の実験参加者の測定を終えることはできたが、データ分析と実験1~3の総括に更なる期間を必要とする。
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Strategy for Future Research Activity |
実験3のデータ分析においてフィードフォワード制御とフィードバック制御の指標の中でプレッシャーの影響を受けるものをさらに探索する必要がある。それらを明らかにすることにより、プレッシャーによる心理状態の変化を運動制御方略の指標から実証できるようになる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により対面で実施する実験の実験参加者の募集が困難となる中、実験参加者を継続的に増やして実験を終了することはできたが、実験が年度末まで及んだため、実験データの分析に更なる期間を必要とする。実験データの分析に使用予定であった謝金を使用することができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は主にデータ分析に必要な謝金となる。
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