2021 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of evolutionary mindset on decision making and control strategy of a motor task under pressure
Project/Area Number |
17K01673
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
関矢 寛史 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (40281159)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プレッシャー / 意思決定 / マインドセット |
Outline of Annual Research Achievements |
心理的プレッシャー下で自覚する生理的変化が、進化の過程で有効に機能したという進化論的マインドセットを運動課題遂行者に教示して、その教示の効果が意思決定に重要となるプロスペクト理論の価値観数に及ぼす影響を調べた。今年度は2017~2019年度に投擲課題を用いて行った実験1(マインドセット教示あり)と実験2(なし)に参加者を計32名追加して実験を行った。計72名分のデータについて、マインドセット教示の有無を要因として加えた分析を行った結果、マインドセット教示の有無に関わらず主観的及び客観的不安指標はプレッシャー条件で有意に増加した。また、マインドセット教示の有無に関わらず課題の成功より失敗を重視する損失回避性が認められた。また、プレッシャー条件では、成功や失敗の価値が増幅したが、マインドセット教示によってその増幅が抑制されることが明らかとなった。また、成功や失敗の程度に比例せずに価値が増加する感応度逓減性は、マインドセット教示やプレッシャーの有無に関わらず認められた。また、所持ポイントによって価値が変化する参照点依存性については、所持ポイントがマイナスの場合は損失回避性が高まることが明らかになった。 また、2019~2020年度に急速照準課題を用いて行った実験3の分析を進めた。その結果、マインドセット教示の有無に関わらず主観的及び客観的不安指標はプレッシャー条件で有意に増加した。また、マインドセット教示の有無に関わらず、フィードフォワード制御の指標である加速度最大値はプレッシャー条件で有意に減少し、フィードバック制御の指標である加速度最大値出現時から運動終了時までの時間はプレッシャー条件で有意に増加した。 これらの結果から、プレッシャー下では意思決定に関わる認知が変化し、マインドセット教示がその変化を抑制する場合もあるが、運動制御に対するマインドセットの影響は認められなかった。
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