2018 Fiscal Year Research-status Report
慣性センサーを用いたスポーツ活動のモニタリングとフィードバック手法の開発
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17K01675
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
和田 智仁 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 准教授 (70325819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 仁大 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 准教授 (50295284)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慣性センサー / ウェアラブル / MEMS / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、慣性センサーなどのウェアラブルなセンサーを用い、スポーツ活動中の人体や用具の計測とそのフィードバック手法について検討を行うものである。 平成30年度の研究においては、人体、剣道の竹刀、テニスラケット、自転車、ウインドサーフィンのボードなどにおける測定と、アニメーション等を用いたセンサーデーターの可視化を行うとともに、センサーから得られたデータと競技パフォーマンスとの関連性について分析を行った。 人体の測定においては、主に慣性センサーを腰部背面の体表に固定し測定を行った。このデータからは身体運動を代表する加速度や角速度、さらに上体姿勢を詳細に推定可能な情報が得られた。用具等の測定においては、センサーから得られるデータからボールや床などとの接触といったイベントのタイミングや強度、用具の姿勢といった情報を得ることができた。 そこで現在は、競技力の向上という視点からこのようなデータをどのように活用できるかという点について、現場の競技者やコーチ等と意見交換を行いつつ検討を進めている。これまでの研究では、ウインドサーフィンにおいて滑走時のボード姿勢と競技パフォーマンスとの関係を比較分析することで、滑走時のボード姿勢に関する新しい知見を得ている。一方で、竹刀やラケット等の測定では移動方式の自由度が高く、また加速度と角速度が大きく変化することから、データの分析や評価が難しく、センサーデータの精度検証を含め、競技現場へフィードバック可能な情報とするためにより詳細な検討が必要であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度においては様々な競技種目における測定を行うことができた。一部は基礎的な測定であったが、一部では競技活動中の貴重なデータも得られた。平成29年度に本研究により開発した手法を用い、現在はこれらのデータを可視化し競技パフォーマンスとの関連を中心に分析を行っている。しかし、目的とする競技力向上に資するデータ活用という点で、分析が思ったように進まない点も多く、研究成果となる論文も現在投稿中のものだけとなってしまった。以上から、現時点ではやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究では、競技種目ごとの研究者との連携をとりウェアラブルセンサーデータの分析を進めるとともに、競技パフォーマンス向上に資するフィードバック手法の開発を行う。
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Causes of Carryover |
平成30年度の研究では分析が思うように進まず、研究成果の発表に至らなかったため、学会発表や論文校正にかかる支出が少なくなり次年度使用額が生じた。平成31年度には前年度計画していた発表を実施するためにこれらを使用する予定である。
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